裏付けのある資産

2018.01.24(WED)

年初から世界の株式市場が好調です。一方で米国の長期金利が上昇しており、債券価格は下落。為替市場では、米国の長期金利が上昇しているので、日米金利差の拡大で円安ドル高が起きてもよさそうですが、逆に米ドル安となっています。

これは日米のマネー量、金利水準等の将来予想比較の中で起きていることではあるのですが、短期的に価格は需給で決まり、経済学の教科書通りには動かないことを示しているとも言えます。

ともかく2018年になり、世界的に「株式高、債券安、ドル安」という状況になっています。債券安(金利上昇)が起きていることが、2017年と大きく異なる点と言えるでしょう。

長期投資の視点では、この金利上昇(特に米国の10年国債の利回りが上昇している点)に注目しています。世界的に実体経済の成長は力強く、それを受けた金利上昇は、今後の資産運用環境をよりポジティブなものにすると推測する反面、資金調達コストが上昇することで今後、安易な借金による投資で価格が形成されていた資産は下落するのは必然です。

表現を変えるなら、それは「裏付けがない資産」と言ってもいいでしょう。

裏付けがあるかないかという観点で見ると、個人的にはビットコイン、スタートアップ企業、テーマ型ファンド(AI、ロボット等)、ワンルームマンション投資等の多くについては、既にバブルの域にあると判断しています。

現在の株式市場の上昇は、全体的には好調な実体経済や企業業績を反映した、さらには技術革新が生み出す今後のポジティブな変化を反映した、適正なものであると判断する一方で、金利上昇が局地的なバブルを崩壊させる時が近づいているように感じます(全体適正、局地バブル)。

バリューマネジメントでは、景気の好不調、金融市場の変動に関わらず、常に「裏付けのある資産」に長期分散投資をすることを心掛けています。裏付けのある資産は(それを法外な価格で購入してさえいなければ)、一時的に下落しても、長期的に見ると、いずれまた価格が上昇してくるのが世の理だからです。

例えば株式や社債であれば、キャッシュフローを継続的に創出する力こそが「最大の裏付け」となります。弊社はキャッシュフローを生み出しもしないで将来の夢や期待だけで価格が上昇している会社への投資(もしくはそのような会社に投資をする投資信託)を、お客様にお勧めすることはありません。

弊社は2018年、さらなる金利上昇が起きたとしても、その逆風に耐えうる「裏付けのある資産への分散投資の意識」を持って、適切な意思決定を行ってまいりたいと思っております。

引き続きよろしくお願いいたします!

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