時代の変わり目 2017

2017.12.14(THU)

今年のクリスマス商戦で一番気になるのが、電車の吊り広告等でよく見かけるグーグルホーム。いわゆる「AI(人工知能)スピーカー」とか「スマートスピーカー」と呼ばれる商品です。競合としては、アマゾンのエコーやラインのクローバ・ウェイブが挙げられますが、個人的にはグーグルホームが目立っている気がします。

「OKグーグル、●●して!」とお願いしたら、何をどこまでやってくれるのか詳しく知りませんが、何だか昭和の親父が「おーい、お茶」と奥さんにお願いするのに似ています(笑)。これらの商品、昨年のクリスマスの頃は全く目にしなかったのですが、今年から急に続々と出てきました。

今後、本格的な人口減少・少子高齢化社会が到来し、専業主婦の比率が減り共働きが主流になる中、職場だけでなく家庭の人手不足もAIやロボットが代替していく。そんな近未来の始まりを予感させる出来事です。

最近もう一つ気になっているのがブロックチェーン(分散型台帳)です。専門分野ではないので細かい技術的なことはわかりませんが、金融機関を介さず、ユーザー 同士でシステムを管理しあう分散的な構造が、未来の金融サービスを大きく変えていく技術であるということは理解しています。特に金融決済、契約・証明(特に不動産取得等)等で破壊的イノベーションが起きそうです。

ブロックチェーン(分散型台帳)を活用した最初のイノベーションがビットコイン(仮想通貨)ですが、ビットコインの価格は今年10倍以上の値上がりを見せ、市場は完全に博打の場と化しています。しかも日経新聞の報道によると、世界のビットコイン取引に占める日本人の割合は40%(日本人が博打好きな民族なのか、それとも金融リテラシーが低いのか、理由は定かではありませんが…)。

この状況を見ると、以前の為替先物市場(FX市場)を思い出します。金融知識もない素人の主婦が大量にFX取引を行い、世界で「ミセス・ワタナベ」と揶揄されていた頃の光景(最終的には大損した…)を見ているようです。同様に、未来のどこかのタイミングでビットコインバブルが弾けるのは必然だと思いますが、その背景にあるブロックチェーンの技術は世の中を大きく変えていくでしょう。

私としては2017年を、AIスピーカー、ブロックチェーン等の世の中を変えていく技術が、製品やサービスとして本格的に出てきた元年として記憶しておきたいと思います。

資産運用においても、「金融市場の短期変動」や「中期的な景気循環」を超える、これらの技術革新や世の中の構造変化を理解しておくことが大切です。

とは言っても、それに乗せられてAIファンドやロボットファンドといったテーマ型ファンドに投資をすることにはご注意を!ビットコインを買うのと本質的に変わらない投資マインドになっている可能性もありますので。

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