風が吹けば…

2017年9月12日

先日、日経新聞に来年「パナソニック」が100周年を迎えるという、大きな広告が掲載されていましたが、やはりパナソニックと言えば、経営の神様である創業者松下幸之助を抜きに語ることはできません。

創業者松下幸之助の意志が、100年継続するパナソニックの根っこにあり、また社会に必要とされ貢献しなければ、100年も続けることは絶対にできないことを考えると、心から「おめでとうございます。」と申し上げたい気持ちになります。

私も会社経営者の端くれとして、時々思い出したように(大体は仕事で思い悩んだ時ですが)、松下幸之助氏が昭和43年から連載していた短文をまとめた「道をひらく」という文庫本を読んでいます。今でも大きな本屋さんに行くと、結構売れているようです。ベストセラーなので読んだことがある方も多いのではないでしょうか。

さて今回パナソニック100周年の新聞広告を見て、私も改めて読んでみましたが(3年ぶりくらいかなー)、やはり名著は何度読んでも、常に新しい気づきがあるものです。本の内容は変わらなくても、自分自身の状況や変化や成長によって読むポイントも微妙に変わってくるからなのでしょう。

最近は「市場変動と投資家の行動心理との相関」に興味が深いせいか、印象に残ったのは…「風が吹けば」というタイトルの文章でした。

 

「風が吹けば」

風が吹けば波が立つ。波が立てば船も揺れる。

揺れるよりも揺れないほうがよいけれど、

風が強く波が大きければ、何万トンの船でも、

ちょっと揺れないわけにはゆくまい。

これを強いて止めようとすれば、かえってムリが生じる。

ムリを通せば船がこわれる。

揺れなければならぬときには揺れてよかろう。

これも一つの考え方。

大切なことは、うろたえないことである。あわてないことである。

うろたえては進路を誤る。そして沈めなくてもよい船でも、

沈めてしまう結果になりかねない。

(以上本文から一部抜粋)

 

皆さんは読んでみてどう感じましたか?

私はこの文章は、長期投資に付随する短期変動への心構えとして、あるべき姿を見事に表現していると思います。いや投資だけでなく、仕事や生活や人生全般に通じる普遍的な心構えです。

「変動を無理に回避すること」を最新の金融工学で商品化したのが「サブプライムローン債券」や「仕組債」と呼ばれるものであり、その崩壊の結果が2008年のリーマンショックであったと私は捉えています。

私自身も改めて「風が吹けば」を読み、お客様の長期投資と共にある「バリューマネジメントという船」を沈めないために、文中にもあるよう「うろたえないよう、あわてないよう」頑張っていきたいと、心を新たにした次第です。

それでは皆さん、引き続きよろしくお願いいたします!