マーケットレビュー(2017年12月)

2018年1月11日

2018年が始まって、あっという間に11日も過ぎてしまいましたが、年末年始と言えば、「今年はどうなるか?」「何が起きるのか?」、大体そんな予測や展望が巷に溢れる時期でもあります。

しかし当ブログでは「去年今年貫く棒の如きもの(高浜虚子作)」ということで、「連続性と継続性」の視点を持って、先月の経済・金融のレビューを致したく存じます。過去から現在に起きている事実をしっかり観察することこそが、長期投資で成果をあげるための最重要ポイントだと私は思います。勿論、それは弊社の仕事なのですが、少しでも多く、それを皆さんと共有していきたく存じます。

それでは昨年に引き続き、本年もよろしくお願いいたします!!

 

■2017年12月、IFA中浜祐士が注目したニュース(社会・経済・金融)

1日  天皇陛下の退位が2019年4月30日に決定。翌5/1から新元号。

1日  事務派遣料金は1割~3割の値上げ見通し(18年4月の法改正に伴い)。

1日  10月求人倍率が1.55倍に(1974年1月以来の高水準)。

1日  人工透析30万人。医療費は1兆円超となり今後削減の見通し。

2日  政府与党は中小企業の事業承継を促す税優遇策を拡充する。

4日  BNPパリバ会長が欧州景気に強気の見通しを示す。

5日  グーグルがユーチュブでアマゾン製品が見られなくなる措置をとる。

6日  2018年度税制改正で年収800万円超の所得税が増税に(控除縮小)。

6日  国際金融の新規制バーゼル3の詳細が固まる(2021年度以降の導入へ)。

7日  米トランプ大統領がイスラエルの首都をエルサレムと認定。

7日  上海株式3か月半ぶり安値、共産党大会が終わりリスク抑制の流れに。

8日  日本企業2017年度の配当総額は前年比7%増の12.8兆円(過去最高)。

8日  日本7-9月期GDP(改定値)は、年率+2.5%(速報値+1.4%)。

8日  10月国際収支、経常黒字2.1兆円(前年同月比40.7%増)。

8日  日欧EPA(経済連携協定)交渉が妥結。2019年春の発効を目指す。

8日  11月米雇用数は+22.8万人(市場予測19.5万人)。

9日  日本企業の資本効率向上、主要企業全体でROE10%超の見通し。

9日  米電気自動車大手テスラの株価が大幅下落、モデル3の生産遅延。

12日  ビットコインの10-11月取引(全世界)の4割を日本人が占める。

13日 ユニクロはネットでセミオーダー衣料を世界展開。1兆円を目指す。

13日 米FRBが0.25%の利上げを実施(年1.25%~1.5%の誘導目標)。

13日 米国株式最高値更新。FOMCで今後の利上げペース見通し変更なし。

14日 世界のETF残高が11月末4.7兆ドル(前年比34%増)に達する。

14日 2018年度与党税制改正大綱が決定。個人中心に2800億円増税。

15日 全日空は今後毎年AI・ロボットに100億円投資をすると発表。

15日 12月日銀短観で景況感は5期連続改善、11年ぶりの高水準に。

17日 米国中小企業の景況感は34年ぶりの高水準。大企業も12-13年ぶりの水準。

18日 総務省管轄の情報通信研究機構が、AIで自動翻訳イヤホンを開発した。

18日 五輪・都市再開発で鋼材価格が年初から1-3割上昇。

19日 2018年の経済金融見通し、楽観的な予測が相次ぐ。

19日 政府2018年度見通し。実質GDP+1.8%(名目+2.5%)、CPI+1.1%。

20日 家計の金融資産が9月末時点で1845兆円と過去最高に。

20日 財務省の2018年度税収見通しは59兆800億円(27年ぶりの高水準)。

20日 GPIFが資産全体の5%をオルタナティブ投資に配分する方針を発表。

20日 米大型減税(法人税35%→21%)決定。30年ぶりの抜本改正。

21日 2017年最後の日銀金融決定会合、景気拡大でも緩和継続を決定。

21日 通貨ユーロの上昇基調が続く。欧州経済堅調と長期金利上昇が要因。

21日 国連総会、米のエルサレム首都認定の決定撤回決議を採択。

22日 2018年度予算案決定、歳出は97兆7128億円と過去最高。

22日 2017年の出生数は過去最小94万人、死亡者数は過去最高134万人。

23日 米半導体大手ブロードコム、本社をシンガポールから本国に戻す。

25日 2018年中国GDP予測の平均値+6.5%(前年比-0.3%)。量より質重視。

27日 日本の2017年新規公開(IPO)は90社。最近10年で2番目の多さ。

28日 2017年の日本企業にM&Aは過去最多の3000件超。

29日 国内オフィスビルの供給は2018年急増(新床面積は前年比3倍)。

29日 東京エレクトロン社長コメント…半導体需要の用途拡大はかつてない勢い。

30日 2017年末の世界株の時価総額は84兆ドルとなる(前年比21%増)

 

 

■2017年12月の金融市場の動き

【12月末の長期金利】

日本10年国債  0.05%   前月比+0.01%  年初来  +0.01%

米国10年国債  2.40%   前月比-0.01%   年初来 -0.04%

ドイツ10年国債 0.43%   前月比+0.05%  年初来 +0.24%

英国10年国債  1.18%     前月比-0.15%   年初来 -0.06%

2017年の債券市場(長期金利)に大きな動きはありませんでした。しかし2018年は特に米国の金利上昇リスクを注視しておく必要があります。2018年の最大のリスクはここにあると考えておくべきでしょう。

 

【12月末の先進国株式】

日本(TOPIX)  1817.56          前月比+1.4%    年初来+19.7%

米国(S&P500)  2673.61          前月比+1.0%    年初来+19.4%

(ナスダック) 6903.39          前月比+0.4%    年初来+28.2%

ドイツ(DAX)  12917.64           前月比-0.8%     年初来+12.5%

英国(FTSE100) 7687.77          前月比+4.9%       年初来+7.6%

年末に米国の大型減税が決まり、米国の景況感はより強くなってきました。中国は全人代以降、景気を引き締め気味の政策をとっていますが、世界の景気トレンドは一層力強くなっており、株式市場はそれを素直に反映した動きを見せています。

 

【12月末の新興国株式】

中国(上海総合)   3307.17    前月比-0.3%  年初来+6.6%

インド(SENSEX) 34056.83    前月比+2.7%       年初来+27.9%

ブラジル(ボベスパ) 76402.08  前月比+6.2%        年初来+26.9%

ロシア(RTS)    1154.43        前月比+2.0%       年初来+0.2%

米国を中心とした先進国の景気の強さが、新興国にも波及し始めました。また中国において新たなイノベーションが生まれてきています。テクノロジーの発展が先進国、新興国の境目をなくしつつあるように感じます。

 

【12月末の商品市況】

WTI原油先物(1バレル)60.42ドル   前月比+5.3%      年初来+12.5%

NY金先物(1オンス)  1306.3ドル   前月比+2.6%      年初来+13.6%

近年、特に米国でシェール革命が起き、それが原油価格を下押ししてきましたが、世界景気の拡大と共に、原油の需給も引き締まり、価格も上昇してきました。また米国の長期金利が上昇しないことから、金価格も堅調な動きとなっています。

 

【12月末の月末の為替市場】(+は円安 -は円高)

米ドル/円  112.70円    前月比+0.1%  年初来-3.6%

ユーロ/円  135.22円    前月比+0.9%  年初来+9.9%

英ポンド/円 152.14円    前月比-0.1%  年初来+5.6%

豪ドル/円  87.93円     前月比+3.2%   年初来+4.3%

年間を通じて、主要通貨に対して米ドルが安い一年だった。円は米ドルに対しては高いが、他通貨に対しては弱く、総合的な通貨価値を示す実効レートでみると円安であったと言えます。

以上。

 

 

今年もありがとうございました!

2017年12月29日

今年も色々とありましたが、最後に2017年を振り返り、個人的な出来事や思うことを書き留めておきたいと思います。

 

①長寿化について

2016年の終わりごろに、ライフシフト~100年時代の人生戦略~(リンダ・グラットン)を読んで、今まで漠然と80歳くらいまでを想定していた自分の人生を、100年にシフトしてみたところ、色々と物事に対する考え方が変化した気がします。

本当のところ自分がいつ死ぬかなんてわかりませんが、100年生きることをベースに思考していくと、結構ワクワクします。きっと自分は根が楽観的なのかもしれませんね(笑)。

そして、その流れで自分の仕事を考えると、資産運用(投資)も短期志向の投機(ギャンブル)ではなく、より長期の人生設計の中に組み込まれていくのは必然だと思いますので、皆さんの人生の豊かさに貢献する資産運用サポートをコンセプトに、引き続き頑張っていく所存です。

ところで今年一番うれしかった出来事として、生まれたばかりの0歳のかわいいお客様ができたことを挙げたいと思います。これはお父様の長期投資に対する深い理解があってのことですが、証券口座を開設し、毎年積立投資をすることになったのです。これから私の最年少のお客様の積立資産がどのように成長していくのかすごく楽しみです。当然、私自身が最後まで見届けることはできませんが、未来への投資の仕組みを創れたことを本当にうれしく思います。

 

②人口減少について

12/22に厚生労働省は2017年の人口動態統計の年間推計を発表しました。2017年に生まれた赤ちゃんは94.1万人でした。前年の2016年に初めて出生数が100万人を割り込み、97.7万人となったわけですが、そこからさらに3.6万人の減少です。ちなみに2017年の死亡数は戦後最多の134.4万人となり、人口は40万人も減少しました。

今後もこのトレンドは止まるどころか加速しそうです。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口2017」によると、2040年(22年後)の日本の人口は1億1092万人になるそうです。これは2015年比で1618万人減ということになります。

1618万人と言えば、現在の九州の人口(約1300万人)+四国の人口(約380万人)に匹敵する数です。22年後に九州と四国がなくなるくらいのインパクトがあるという認識が必要かと思います。しかも同期間(2015年→2040年)に、65歳以上の人口は3387万人→3921万人となり、534万人も増加します。

これらの問題が、社会・経済にどのような影響を与え、それがまた金融市場にどのようなかたちで映し出されていくのか、長期の視点で観察することで、適切な資産運用を実現していきたいと思います。

 

③AI・ロボットについて

前回のブログでも、2017年は大きな変わり目だというお話しをするなかで、AI・ロボットについてもとりあげました。AI・ロボットの実用化は、先ほど挙げた①長寿化と②人口減少と深くリンクしています。テクノロジーの発展だけでなく、そこに大きな需要があるからこそ、これらのテクノロジーを背景とした製品やサービスが実現化していくステージに入ってきたのです。

ところで、このAI・ロボットは人間を幸せにするかどうかという議論がありますね。囲碁や将棋やチェスなど、一定の決まったルールの中で行われるゲームに関しては一流のプロもAIに勝てなくなってきました。様々な業界でAIやロボットが人間の仕事を代替することが想定されている中、人間の我々は何が強みで何を為していくのか?真剣に考えなくてはなりません。

 

④個人的なことですが…

個人的なことで恐縮ですが、私は間もなく50歳になります。そしてこれも個人的な感覚ですが、昔は人生50年だったと勝手に解釈をしています(笑)。

「人間50年、下天のうちにくらぶれば、夢幻のごとくなり」(織田信長が好んだ能「敦盛」より)

「旅に病んで 夢は枯れ野を かけめぐる」 (松尾芭蕉が50歳で詠んだ辞世の句)

織田信長も松尾芭蕉も50歳で人生を終えました。しかし現在を生きる私たちは、体の健康とお金の健康を維持していけば、豊かな100年人生を実現する可能性が広がってくるかと思います。これは個人的にもそうですが、まさしく人類の挑戦だと思います。私もお客様と共に頑張ってまいります。

そして最後にもうひとつ、

「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声 」(松尾芭蕉)

奥の細道の旅の中で、山形県の立石寺で詠んだ有名な句です。ふつう蝉の声はうるさいのですが、その蝉の声が、その背景にある自然や宇宙の閑さ(しずかさ)を鮮明にしたのだと言われます。

この句を果たしてAIやロボットは詠めるでしょうか?松尾芭蕉が探求の旅路の中で、人間としての様々な経験と研ぎ澄まされた感覚をもって詠んだ句だからこそ、時代を超えて人々を感動させるのだと思います。

そんなことを考えつつ、本日で2017年の仕事を締めたいと存じます。

皆さん、本年は本当にお世話になりました。良いお年をお迎えください。そして2018年も引き続きよろしくお願いいたします!!

 

 

時代の変わり目 2017

2017年12月14日

今年のクリスマス商戦で一番気になるのが、電車の吊り広告等でよく見かけるグーグルホーム。いわゆる「AI(人工知能)スピーカー」とか「スマートスピーカー」と呼ばれる商品です。競合としては、アマゾンのエコーやラインのクローバ・ウェイブが挙げられますが、個人的にはグーグルホームが目立っている気がします。

「OKグーグル、●●して!」とお願いしたら、何をどこまでやってくれるのか詳しく知りませんが、何だか昭和の親父が「おーい、お茶」と奥さんにお願いするのに似ています(笑)。これらの商品、昨年のクリスマスの頃は全く目にしなかったのですが、今年から急に続々と出てきました。

今後、本格的な人口減少・少子高齢化社会が到来し、専業主婦の比率が減り共働きが主流になる中、職場だけでなく家庭の人手不足もAIやロボットが代替していく。そんな近未来の始まりを予感させる出来事です。

最近もう一つ気になっているのがブロックチェーン(分散型台帳)です。専門分野ではないので細かい技術的なことはわかりませんが、金融機関を介さず、ユーザー 同士でシステムを管理しあう分散的な構造が、未来の金融サービスを大きく変えていく技術であるということは理解しています。特に金融決済、契約・証明(特に不動産取得等)等で破壊的イノベーションが起きそうです。

ブロックチェーン(分散型台帳)を活用した最初のイノベーションがビットコイン(仮想通貨)ですが、ビットコインの価格は今年10倍以上の値上がりを見せ、市場は完全に博打の場と化しています。しかも日経新聞の報道によると、世界のビットコイン取引に占める日本人の割合は40%(日本人が博打好きな民族なのか、それとも金融リテラシーが低いのか、理由は定かではありませんが…)。

この状況を見ると、以前の為替先物市場(FX市場)を思い出します。金融知識もない素人の主婦が大量にFX取引を行い、世界で「ミセス・ワタナベ」と揶揄されていた頃の光景(最終的には大損した…)を見ているようです。同様に、未来のどこかのタイミングでビットコインバブルが弾けるのは必然だと思いますが、その背景にあるブロックチェーンの技術は世の中を大きく変えていくでしょう。

私としては2017年を、AIスピーカー、ブロックチェーン等の世の中を変えていく技術が、製品やサービスとして本格的に出てきた元年として記憶しておきたいと思います。

資産運用においても、「金融市場の短期変動」や「中期的な景気循環」を超える、これらの技術革新や世の中の構造変化を理解しておくことが大切です。

とは言っても、それに乗せられてAIファンドやロボットファンドといったテーマ型ファンドに投資をすることにはご注意を!ビットコインを買うのと本質的に変わらない投資マインドになっている可能性もありますので。

マーケットレビュー(2017年11月)

2017年12月5日

当ブログ「長期投資の視点」では、毎月初めに、先月の社会・経済・金融で起きたことのレビューを行うことにしております。実はこれ、私が証券業界で仕事を始めた頃から、かれこれ25年くらい続けて習慣化してきたことでして、このようなフレームワークで考え続けることで、自分なりに社会や経済や金融といったものを俯瞰してみる眼を養っています。それを皆さんと共有できればと思っております。是非お試しください!

■2017年11月、IFA中浜祐士が注目したニュース(社会・経済・金融)

1日 日銀は31日の金融決定会合で、大規模緩和の維持を決定。

1日 ユーロ圏の7-9月期GDPは年率+2.4%、雇用・消費堅調。

1日 米FOMCは現状維持、来月利上げ、新FRB理事長にパウエル氏。

1日 第4次安倍内閣発足。12年ぶりに全ての閣僚再任。

2日 英中央銀行は政策金利を10年ぶりに引き上げ(0.25%→0.5%)。

3日 米国の10月雇用数は26万1000人増加。予想+32万人は下回る。

3日 米国の非製造業景況感指数が60.1と高水準(2005年8月以来)。

5日 トランプ大統領が初来日。

7日 日経平均が1992年以来、25年10ヵ月ぶりに高値(22,666円)更新。

9日 日本の経常黒字が10年ぶりの高水準へ、訪日客で旅行黒字最高。

13日 みずほFGが人員・店舗数の削減を柱とする構造改革を発表。

15日 日本の7-9月期GDPは年率1.4%増、外需が牽引で7期連続プラス。

15日 日経平均が6日連続下落。海外ファンド決算で利益確定売り拡大。

16日 日本企業の18年3月期の純利益は17%増(25.6兆円)で過去最高。

16日 米下院は連邦法人税率を35%→20%の下げる法案を可決する。

19日 ドイツ3党連立協議が決裂。メルケル首相窮地に。

20日 日本の10月貿易黒字は前年同月比で+14%。中国向け輸出好調。

22日 政府は中小企業の事業継続を後押しする相続税優遇する方針を公表。

22日 政府は天皇陛下の退位を19年4月30日、新元号を翌5月1日と公表。

24日 英国で個人消費の減速が鮮明に。EU離脱、通貨安が重荷に。

24日 日本株式市場で中国関連株が軒並み下落。中国の金融引き締め懸念。

25日 コンビニ試練、客数伸びず。既存店は20カ月連続で客数減少。

26日 7-9月の世界の貿易量が前年比+5.1%と6年半ぶりの高い伸びを示す。

27日 中国が「影の銀行」と呼ばれる理財商品販売の規制強化に踏み切る。

27日 日本経済の7-9月の需給ギャップは+0.5%。3四半期連続プラス。

29日 世界の半導体市場、IOTで急拡大。2018年は16年比で3割増予測。

29日 北朝鮮が新型ICBMを発射。米国の首都ワシントンを射程圏内に。

29日 米ダウ平均は4日続伸も、ハイテク・ITは利益確定売りで総崩れ。

 

■2017年11月の金融市場の動き

【11月末の長期金利】

日本10年国債  0.04% 前月比-0.03%  年初来 -0.01%

米国10年国債  2.41% 前月比+0.03%   年初来 -0.03%

ドイツ10年国債 0.37% 前月比-0.01%  年初来 +0.18%

英国10年国債  1.33% 前月比 変わらず 年初来 +0.09%

世界的な好景気がインフレ率の上昇につながっていない現状を反映し、11月も世界主要国の長期金利は低位横ばいの動きが続く。12月に米国FRBが利上げを行うのが確実な情勢だが、新FRB議長のジェローム・パウエル氏もイエレン議長の緩やかな利上げ路線を継承すると見られ、金利の動きにも大きな影響を与えていない。

 

【11月末の先進国株式】

日本(TOPIX)  1792.08  前月比+1.5% 年初来+18.0%

米国(S&P500)  2647.58  前月比+2.8% 年初来+18.3%

(ナスダック) 6873.97  前月比+2.2% 年初来+27.7%

ドイツ(DAX)  13023.67  前月比-1.6% 年初来+13.4%

英国(FTSE100) 7326.67  前月比-2.2% 年初来+2.6%

11月の米国株式市場は堅調な経済および法人減税への期待からS&P500、ナスダック共に史上最高値を更新。日本も好調な企業業績(純利益で約17%増で過去最高の利益)を背景に25年ぶりの高値を奪回。欧州は全体的に堅調な経済指標を確認するも、ドイツにおいてメルケル首相の連立協議が不調に陥り、政治リスクの高まりから下落。

 

【11月末の新興国株式】

中国(上海総合)  3317.19   前月比-2.2% 年初来+6.9%

インド(SENSEX) 33149.35  前月比-0.2% 年初来+24.5%

ブラジル(ボベスパ)71970.99  前月比-3.1% 年初来+19.5%

ロシア(RTS)   1131.56   前月比+1.6% 年初来-1.8%

11月の新興国市場は先進国と比較して軟調な展開。5年に1度の全人代が終了した中国が、景気浮揚を中心とした経済政策から、一部において景気の過熱を抑える政策に転換する動きが見られ、その影響で株式市場は下落した。

 

【11月末の商品市況】

WTI原油先物(1バレル)57.40ドル 前月比+5.6% 年初来+6.9%

NY金先物(1オンス)  1273.20ドル 前月比+0.5% 年初来+10.7%

原油価格は大幅上昇。上昇の要因として、①イラクにおけるクルド自治政府の問題②サウジアラビアにおける内紛③OPECの減産継続による需給の引き締まりが挙げられる。金価格は中東、東アジアの地政学リスクの高まりもあり小幅上昇。

 

【11月末の為替市場】(+は円安 -は円高)米ドル安、ユーロ高が進展。

米ドル/円  112.54円  前月比-1.0% 年初来-3.7%

ユーロ/円  134.01円  前月比+1.2% 年初来+8.9%

英ポンド/円 152.35円  前月比+0.9% 年初来+5.7%

豪ドル/円  85.18円   前月比-2.1% 年初来+1.0%

11月の為替市場は、米国の金融政策において、今後の利上げがゆっくり慎重に行われることがFOMC議事録の内容等から意識され米ドルが小幅安となった。一方、利上げを行った英国、堅調な経済指標が確認された欧州通貨(ユーロ)が買われました。円に関しては、金融緩和継続の一方で貿易黒字および経常黒字が増加しており、なかなか方向感がつかみづらい状況。

以上。

金融業の未来

2017年11月30日

すでに皆さんもご存じのニュースだと思いますが、去る11月13日、みずほフィナンシャルグループはメガバンクとしては異例の人員と店舗の削減を柱とする「構造改革」を発表しました。(10年後に現在の人員7.9万人を6万人まで減らし、店舗も500から400に減らしていくといった内容)

みずほFGでここまで危機感が高まっている理由として、①日銀のマイナス金利政策や人口減少で収益環境が悪化している現状と②フィンテックの普及等で異業種からの新規参入が増加し、今後の競争がさらに激化するという点が挙げられています。

「厳しい現状とさらに厳しい未来」に備え、高コスト体質にメスを入れなければ生き残れないというのが、みずほFGに限らず現在の金融業界の共通認識だと言えるでしょう。

ところで、リーマンショック前の2007年の日経平均高値は18,138円ですが、10年後の2017年11月29日の終値は22,597円。ここにきてリーマン前の水準を上回り、25年ぶりの高値を奪回しています。

しかし金融業の株価は冴えません。前述のみずほFGはリーマン前の高値は一時1,000円を超えていましたが、現在は200円近辺をうろうろしている感じです。実に株価は1/5。銀行だけではありません。証券最大手の野村證券の株価もリーマン前に2,500円を超えていた時期がありましたが、現在は600円台に低迷しています。こちらの株価もざっくりいうと1/5。

一方で直近の10年の社会経済のトレンドをつかみ成長している日本企業の株価は大きく値上がりしています。その代表例としてキーエンスを挙げてみます。同社は主にセンサーの開発・販売で知る人ぞ知る優良企業ですが、昨今のIOTや世界的な省力化の流れに乗っただけでなく、独特の営業モデルを強みにしており、業績は右肩上がりです。株価はリーマンショック前に10,000円くらいでしたが、今年70,000円まで上昇しています。なんと10年で約7倍です。

このように平均値(日経平均)だけで漠然と見るとわかりませんが、過去10年、企業間格差・業種間格差は、とても大きく拡大しているのです。

「これからの10年はどうでしょうか?」

私は過去10年よりも今後の10年の方が、よりドラスティックに変わることを確信しています。リーマンショックから10年後の来年(2018年)、歴史的な視点で見ると私たちは新たな変曲点にいるのだと思います。これからの10年、一般的に人々が思う以上に、社会・経済が変わっていく気がします。

金融業の未来もまさしく大きく変わっているでしょう。みずほFGの10年後を見据えての構造改革。私もみずほFGで3年間働いていたので何となく内情はわかる気もしますし、頑張って欲しい気持ちもある一方、店舗や人員の削減が前面にでる「生き残るための構造改革」では、これからの金融の未来を切り開くことはできないのではと危惧します。

また最近、金融業の未来(イノベーション)が、フィンテックやAIといったテクノロジー中心に語られすぎていることも気になります。

例えば金融商品を買う行為が、電話からパソコンになり、さらにスマホになり、手数料が下がったとしても決して儲かるわけではありません。また何を買うかをAIやロボットに決めてもらっても確実に儲かることも当然ありません。平均的な人間よりはいいかもしれませんが…。

それが本当に人間を豊かにする金融業の未来なのか?本来は人間が為すべきところをAI・テクノロジーを活用することで、単に楽をしようとしているだけではないか?その線引きが間違っているではないか?不確実性を許容するからこそ、未来の成長があるということをAIやロボットはすべて解析できるのか?

そんなことを感じつつ、弊社が今後どのようにお客様に貢献していくべきか?改めてこれからの10年を、年末年始にじっくり考えてみたいと思います。

シェアする心

2017年11月22日

最近の社会経済トレンドの一つとして「シェアリング・エコノミー」が挙げられますが、一般的には個人が保有する遊休資産の貸出しを仲介するサービスとして捉えられています(貸主は遊休資産の活用によって収入が得られ、借主は所有することなく利用できることがメリット)。

車の相乗りサービスを実現したウーバー・テクノロジーや保有する住宅や物件を宿泊施設として仲介するエアビーアンドビーが、シェアリング・エコノミーの代表企業として有名です。これらのサービス、誰にでも思いつきそうなものでありますが、従来は安全性や効率性の問題から実現することはできませんでした。しかし近年、ビッグデータの処理能力の向上、スマートフォンなどのIT端末の進化、ソーシャルメディアの発展による個人情報の整理等、テクノロジーが飛躍的に進化したことで現実のものとなっています。

このように脚光を集めるシェアリング・エコノミーですが、私は以前から究極のシェアリング・エコノミーは株式市場だと思っておりました。

世界で最初の株式会社は、1602年のオランダの東インド会社であることは有名な話です。当時のヨーロッパでは希少価値が高い香辛料を求め、多くの商人が産地のインド(現在の東南アジアあたり)まで航海をしていました。しかし航海は莫大な富を生み出す反面、船員の雇用、船の建造費等のコストも高く、また航海の途中で遭難や略奪にあうリスクもありました。冒険の規模が大きくなるにつれ、徐々にとても一人で背負うことはできなくなっていきました。そこで航海の出資者を募り、リターン(収益)-リスク(危険)-コスト(費用)を、出資の単位に応じて分かち合おうということになったのです。

こうして1602年の東インド会社誕生以後、社会経済の発展を支える仕組みとして、多くの株式会社が生まれ、やがて株式が市場で取引されるようになり、株式市場を形成していきました。

「みなさん、いかがでしょうか?」

株式市場の歴史を振り返ると、本来、株式市場に投資をするということの意味は、将来に挑戦する会社が生み出す期待リターン(収益)と変動リスク(不確実性)を分かち合うということだと思いませんか?

大切なことはリターンもリスクも公平に分かち合うということ。おそらく自分だけリスクを回避してリターンを得ようなどいうのは小賢しい考えなのでしょう。長い航海を信じて待つことが大切。船が波で揺れるたびに一喜一憂するようでは、長期投資家としては失格なのだと思います。

株式は英語でストック(stock)ですが、これは利益を貯蔵する機能を有する意味合いが強いのですが、一方で株式はシェア(share)とも呼ばれます(主に英国で)。こちらは東インド会社のリターンとリスクを分かち合うイメージです。個人的にはこのシェアという言葉が好きです(もちろん株式の価値の貯蔵機能も最重要なところではあるのですが…)。

何はともあれ「シェアをする心を持つこと」が大切。

長期投資の成功に限らず、それこそが人生に真の豊かさをもたらす秘訣なのではないかと思う、今日この頃であります。

信じる者は?

2017年11月15日

ここ数日、調整局面に入っている日経平均株価ですが、11月に入り25年ぶりに23,000円台を回復するなど堅調な動きを見せています。

ところで個人的なことですが、25年前(平成4年)の私と言えば、野村證券で3年目を迎え、バブル崩壊後の相場の中でも、仕事にも慣れて充実した日々を送っていた記憶があります。普段、昔を思い出すことはあまりしないのですが「25年ぶり」というキーワードに反応した次第です(笑)。

もう少し記憶を掘り下げてみると、個人的に一番苦しかったのは、やはり社会人1年目~2年目の平成2年、3年の頃だったように思います。バブル崩壊が始まり、日経平均株価が日々強烈に下がっていく中で、業務経験に乏しい新人証券マンの私は、販売する株式や投資信託が短期間に値下がりし、お客様に損失を与えてしまうことがとても怖かったのです。当然そうすると営業にも今一つ身が入らなく、結構サボっていました。(営業すればするほど、世の中に損失を与えるなら、何もしない方がマシなのではと思い…)

そんな私に対し、上司、先輩方々は厳しくも適切な指導をしてくれました。当時の私の周りには、どちらかと言えば野村證券の現場では少数派の、根性論ではなく合理的な知性を持った方が多く、そこには株式市場や金融市場の状況がどうであれ「どうすればお客様を儲けさせることができるか?」を真剣に考える土壌がありました。

ある日、仕事に自信がなく、不安な日々を過ごしていた私に上司が言いました。

「中浜、知っているか?信じる者と書いて儲かると読むんだぞ。」

「お前はいいものを持っているのだから、もっと自信を持て!」

「自分を信じることができない者に、お客様を儲けさせることはできないぞ!!」

信じる者=儲かる。「なるほどー」と思いました。普段はつまらないおやじギャグばかり言う上司でしたが、この言葉には感心(尊敬?)しました(笑)。

それから25年経過し、以前より信じられるものが少なくなった世の中になった気がします。何でもかんでも信じていたら、すぐに詐欺に引っかかってしまう時代ですから致し方ないのかもしれませんが…。それでも、おそらく時代は変わっても、「信じる者=儲かる」だと思います。

事業にしても、仕事にしても、家庭生活にしても、もし「不信」をベースにしたとしたら、そこに豊かさや成功などのポジティブなイメージは湧いてきません。実際、成功している幸せそうな人は自分のことや他人のこと、世の中のことを、心のどこかで信じているように感じます。

それは資産運用においても例外ではありません。世の中のすべてを不信の目で見ているような人は、かなり高い確率で長期的には儲かりません。

参考までに私が資産運用をするうえで信じるもの、それは下記のような原理原則です。

・長期的に見ると、金融市場は実体経済(GDP)の成長と共に成長する。

・長期的に見ると、金融市場の中でも株式市場の成長が最も高い。

・金融市場は常に上下に変動するものだ(特に株式市場の変動は大きい)。

・個人が投資で着目すべきは、短期の価格変動でなく長期の資産成長である。

・将来を正確に見通すことはできないので、分散投資を心掛ける。

・投資成果は「投資金額」「投資収益率」「投資年数」で決まる。

・投資収益率を決めるのは、「資産配分」「銘柄選択」「タイミング」。

・自分にあった「資産配分」を決めることが重要(人的資産と金融資産)。

・「銘柄選択」は優れた投資信託を活用するのがいい(信じて託せる運用会社)。

・「タイミングリスク」を低減させるため最大限の時間を使うべき(長期継続)。

このような歴史的に見ても、また経済学の理論上も、おそらく正しいと思われる原理原則を信じ、正しく実践する人こそが、人生の豊かさを実現していく者(=儲かる)になるのだと、私は信じています。

 

2つの寿命

2017年11月8日

最近「資産寿命」という言葉を知りました。

人生100年時代には「健康寿命」と「資産寿命」が重要とのこと。

当たり前と言えば当たり前ですが、上手い言い方だなあーと思います。

せっかく長生きしても健康でなければつまらないし、退職後の時間が有り余っていても、資産(お金)が尽きては愉しむこともできないばかりか、生活にさえ困窮してしまいます。

本格的な少子高齢化社会を迎え、公的年金だけに老後資金を頼れない時代、

「健康寿命と資産寿命」、この2つのキーワードについて、これからを生きる私達は真剣に考えなくてはなりません。(どうしても先の長い話は、緊急性がなく後回しになってしまうのですが…)

またこの2つの寿命は、実は別物ではなくリンクしていると考えられます。

資産寿命が長い安定した家計の人は、健康状態も良好である確率が高いように感じます。逆に資産寿命が今にも尽きそうな人は、心身共に疲弊し、健康状態も悪くなる傾向にあります。

「よって資産寿命を長くする取り組み(長期投資)は、健康寿命を長くすることにも繋がる。」

そんな仮説を立てながら、お客様の資産運用をサポートしていければ、ファイナンシャル・アドバイザーとして、こんなに有意義で愉しいことはありません。私たちの仕事が、もしかしたらお客様の健康寿命を延ばすことに貢献できるかもしれないのですから…。

バリューマネジメントは、お客様の人生を支える資産寿命の長期化を図るため、家計に適切な投資ポートフォリオを導入することを提唱しています。

この取組みで大切なことは、マーケットの長期的な成長を、長期的かつ継続的に獲得する仕組みをつくることであって、短期的なタイミングで証券を売買することではありません。

「タイミングより時間が大切」

今まで何度も申し上げてきた事ではありますが、日経平均株価が25年ぶりの高値を奪回したタイミングで、改めて皆さんにお伝えしたいと思った次第です。

マーケットレビュー(2017年10月)

2017年11月2日

2017年10月(前月)の金融経済レビューをいたします。

直近1カ月分の「社会・経済のニュース」と「金融市場の動き」を関連付けて観ることは、「金融リテラシーの向上に役立つ」と同時に、「長期投資に付随する変動(ボラティリティ)の要因を理解すること」につながります。それがマーケットの上昇時も下落時もしっかり投資に向き合うことができる秘訣だと私は思います。それでは下記情報をご確認頂き、自分としてどう捉えて、どう考えるか?

「是非お試しください!」

 

■2017年10月、IFA中浜祐士が注目したニュース(社会・経済)

2日、日銀短観10年ぶりの高水準、大企業製造業+22(6月調査から+5)。

2日、つみたてNISA(2018年から開始)の口座開設手続きがスタート。

3日、米ベインキャピタルが広告第3位アサツーディ・ケーへのTOBを実施。

5日、インド中銀、2017年度経済成長率の見通しを下方修正(年7.3%→6.7%)。

5日、家計の外貨預金が2017年6月末時点で6兆円を超えて、3年ぶりの高水準。

6日、2017年世界経済予測で10年ぶりに主要45カ国がそろってプラス成長に。

10日、内閣府9月景気ウォッチャー(街角景気)で国内景気の勢いを確認。

11日、香港政府は中小法人の税率を8.25%に半減(課税所得約2800万円以下)。

11日、FRBは9月FOMC議事録を公表。年内の追加利上げを見込む(12月予想)。

13日、商工中金が不正融資で500人規模(営業職の1/3)の処分検討。

14日、米ハリケーンの影響で三大損保に2000億円超の支払いが発生。

16日、国税庁、ビットコインの運用で得た所得を「雑所得」として取り扱う。

18日、世界株式市場でESG投資の残高が約23兆ドルに(全体の1/3)。

18日、NYダウが23,000ドルを突破。S&P500、ナスダックも史上最高値更新。

19日、中国の7-9月GDPは+6.8%。市場予測の+6.7%を若干上回る。

19日、日産は不祥事(無資格者の検査)で、国内向けの出荷停止。

22日、日本企業や個人が持つ海外資産が初めて1000兆円突破、過去5年で5割増。

22日、第48回衆議院選挙で与党が圧勝。安倍政権再始動。

23日、衆議院選挙で与党勝利、日経平均15日続伸(その間の上昇率は+6.6%)。

25日、中国では習近平総書記の2期目(2022年まで)がスタート。

26日、ソニーの今上半期(4-9月)決算は前年比3倍の約3000億円に。

26日、3月決算上場企業1587社の上半期は営業利益8.2%増。

26日、欧州中銀(ECB)は来年1月から量的緩和縮小を開始することを決定。

27日、米ITビッグ5(アップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック)好決算で株価大幅高。

28日、米国の7-9月GDP(速報値)は+3.0%成長、消費・投資が堅調。

30日、三菱UFJ信託銀行は、来年4月から新規住宅ローンの新規融資から撤退。

31日、日銀は短期金利をー0.1%、長期金利をゼロ程度に誘導する現状維持を決定。

 

■2017年10月の金融市場の動き

【10月末の長期金利】

金利に関しては、表面上の動きは乏しいものの、世界景気拡大と今ひとつ物価が上がってこないという、過去の経験則から言えば相反する事象の狭間で金利上昇のエネルギーを溜めているように見えます。しかし金利が上昇したら国債を買いたいという機関投資家の潜在的ニーズ、そしてテクノロジーの発展によるデフレバイアス等が金利の見えない壁になっているようです。

日本10年国債  0.07% 前月比+0.01%  年初来 +0.03%

米国10年国債  2.38% 前月比+0.05%   年初来 -0.06%

ドイツ10年国債 0.37% 前月比-0.10%  年初来 +0.18%

英国10年国債  1.33% 前月比-0.02%   年初来 +0.09%

 

【10月末の先進国株式】

9月と打って変わって、10月の世界株式市場は堅調なマクロ経済、ミクロ経済(企業業績)を背景に、強気に転じました。株価上昇は実体経済の強さや企業業績の伸びを背景にしていますので、多少の割高感はあるものの、バブルのような過熱感や高揚感はありません。また足元、北朝鮮情勢が静かになっていることも含め、アジアの地政学リスクへの警戒感が薄れたのも相場上昇を後押ししました。

日本(TOPIX)  1765.96  前月比+5.4% 年初来+16.3%

米国(S&P500)  2575.26   前月比+2.2% 年初来+15.0%

(ナスダック) 6727.67  前月比+3.6% 年初来+25.0%

ドイツ(DAX)  13229.57  前月比+3.1% 年初来+15.2%

英国(FTSE100) 7493.08  前月比+1.6% 年初来+4.9%

 

【10月末の新興国株式】

10月はインド株式市場が大幅高となりました。今年度GDP成長率を下方修正したにも関わらず、逆に今後の景気対策への期待が高まったのです。このようにマーケットとは、市場参加者が「事実をどう解釈するか」で方向性が決まってきます(特に短期的には)。逆にどんなにいいニュースでも、それを悪く解釈してしまうと市場は下落してしまいます。しかしそんな時こそチャンスであることを常に忘れてはなりません。

中国(上海総合)  3393.34  前月比+1.3% 年初来+9.3%

インド(SENSEX) 33213.13 前月比+6.2% 年初来+24.7%

ブラジル(ボベスパ) 74308.49 前月比0% 年初来+23.4%

ロシア(RTS)   1113.41  前月比―2.1% 年初来-3.4%

 

【10月末の商品市況】

米国のハリケーン被害の復興需要、OPECのさらなる減産、イラクにおけるクルド問題等の中東の地政学リスクの高まりから、原油価格は大幅高。昨年末と比べ、ずっと低位に推移していた原油価格が、ここにきて昨年末の水準を超えてきました。円ドルレートはまだ昨年より若干円高ですが、年末に向けて日本のガソリン価格も少し高くなりそうです。

WTI原油先物(1バレル)54.38ドル 前月比+5.2% 年初来+1.2%

NY金先物(1オンス) 1267.0ドル 前月比-1.1% 年初来+10.2%

 

【10月末の為替市場】(+は円安 -は円高)米ドル安、ユーロ高が進展。

為替市場では、10月久しぶりに米ドル高(対ユーロ、対円等)になりました。今後はおそらく米国が12月に利上げをすると予測されますし、欧州も金融緩和縮小が来年1月から実際に始まります。一方日本では衆議院選挙で与党が圧勝し、安倍政権、日銀も黒田総裁の体制が継続する関係で、それに伴い金融緩和の継続が予想されます。年末にかけてもう少し円安が進む可能性が高まっている気がします。但し北朝鮮情勢の悪化等が表面化した場合には105円くらいの円高の可能性も当然あり、結論、短期的な為替の動きはわからん(笑)ということです。

米ドル/円  113.63円  前月比+1.0% 年初来-2.8%

ユーロ/円  132.38円  前月比―0.5% 年初来+7.6%

英ポンド/円 150.99円  前月比+0.2% 年初来+4.8%

豪ドル/円  87.02円   前月比-1.4% 年初来+3.2%

 

以上。

資産運用と心理学

2017年10月24日

個人的に毎年10月の楽しみといえば、野球のポストシーズンです。

メジャーリーグのワールドシリーズ、特に今年はロサンゼルス・ドジャースのダルビッシュ有、前田健太の両投手の活躍に期待したいです。また横浜在住で広島カープファンの私としては、セ・リーグのクライマックスシリーズ「広島カープVS横浜DeNAベイスターズ」を今まさに、複雑な想いで観ております(笑)。

もう一つ、毎年10月に注目する出来事があります。それはノーベル賞の発表。

昨年はノーベル文学賞をシンガー・ソングライターのボブ・ディラン氏が受賞して話題になりました。今年も日本の季節の恒例行事ともいえる「今回こそ村上春樹」いう期待も高まる中、ノーベル文学賞は日系英国人のカズオ・イシグロ氏ということで、こちらも大変話題になっているところです。また今年は、化学や物理学等の理系分野で、日本人の受賞がなかったのは残念でした。

そして何といっても、私の専門でもあるところで、注目すべきは経済分野です。
今年のノーベル経済学賞は「行動経済学」で有名な米シカゴ大学のリチャード・セイラー氏に決まりました。合理的な経済学の意思決定の分析に、心理学(人間の感情等)に基づく現実的な仮定を組み込んだ功績を讃えられての受賞です。

彼のアプローチは、1990年ノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツ氏の現代ポートフォリオ理論(市場は効率的であることを前提に、統計的かつ合理的に経済活動や資産運用を捉えた理論)とは一見正反対のように見えるのですが、この対照的な2人が、シカゴ大学で学び研究をしていたこと、そして同じくノーベル経済学賞を受賞したことが、私にはとても面白く感じられます。

ところで「資産運用はサイエンス(科学)でもあり、アート(芸術)でもある」という言葉がありまして、実は一見正反対に見えるこのお二人の理論は、どちらが正しい、正しくないという話ではなく、実際の資産運用の実務においては、両方の側面が必要不可欠だと感じます。

弊社でもお客様の資産運用を適切なかたちでサポートしていくうえで、合理的なポートフォリオ運用のフレームワークを提供すると同時に、お客様の価値観、性格、感情、リスク耐性のような漠然とした合理的でないものを、どのようにポートフォリオに反映させるか考えます。特に資産運用に付随する価格変動に影響を受ける感情が、誤った投資行動を引き起こさないよう、とても注意を払っています。

また長年にわたる資産運用実務の中で、資産運用で成功するための「人格や性格や心構え」のようなものが、確かに存在すると感じます。

それが何かを理論的に確認するうえでもセーラー教授の行動経済学を代表とする「資産運用と心理学の関係性」は大変興味深い分野です。

資産運用においては、市場の価格変動(上であっても、下であっても)によって、心が揺さぶられ、心配になった時に、誤った意思決定をする可能性が一番高くなります。

そんな時にこそバリューマネジメントのファイナンシャル・アドバイザーにご相談ください!適切なアドバイスで正しい意思決定ができるよう、しっかりサポートさせて頂きます。