信じる者は?

2017年11月15日

ここ数日、調整局面に入っている日経平均株価ですが、11月に入り25年ぶりに23,000円台を回復するなど堅調な動きを見せています。

ところで個人的なことですが、25年前(平成4年)の私と言えば、野村證券で3年目を迎え、バブル崩壊後の相場の中でも、仕事にも慣れて充実した日々を送っていた記憶があります。普段、昔を思い出すことはあまりしないのですが「25年ぶり」というキーワードに反応した次第です(笑)。

もう少し記憶を掘り下げてみると、個人的に一番苦しかったのは、やはり社会人1年目~2年目の平成2年、3年の頃だったように思います。バブル崩壊が始まり、日経平均株価が日々強烈に下がっていく中で、業務経験に乏しい新人証券マンの私は、販売する株式や投資信託が短期間に値下がりし、お客様に損失を与えてしまうことがとても怖かったのです。当然そうすると営業にも今一つ身が入らなく、結構サボっていました。(営業すればするほど、世の中に損失を与えるなら、何もしない方がマシなのではと思い…)

そんな私に対し、上司、先輩方々は厳しくも適切な指導をしてくれました。当時の私の周りには、どちらかと言えば野村證券の現場では少数派の、根性論ではなく合理的な知性を持った方が多く、そこには株式市場や金融市場の状況がどうであれ「どうすればお客様を儲けさせることができるか?」を真剣に考える土壌がありました。

ある日、仕事に自信がなく、不安な日々を過ごしていた私に上司が言いました。

「中浜、知っているか?信じる者と書いて儲かると読むんだぞ。」

「お前はいいものを持っているのだから、もっと自信を持て!」

「自分を信じることができない者に、お客様を儲けさせることはできないぞ!!」

信じる者=儲かる。「なるほどー」と思いました。普段はつまらないおやじギャグばかり言う上司でしたが、この言葉には感心(尊敬?)しました(笑)。

それから25年経過し、以前より信じられるものが少なくなった世の中になった気がします。何でもかんでも信じていたら、すぐに詐欺に引っかかってしまう時代ですから致し方ないのかもしれませんが…。それでも、おそらく時代は変わっても、「信じる者=儲かる」だと思います。

事業にしても、仕事にしても、家庭生活にしても、もし「不信」をベースにしたとしたら、そこに豊かさや成功などのポジティブなイメージは湧いてきません。実際、成功している幸せそうな人は自分のことや他人のこと、世の中のことを、心のどこかで信じているように感じます。

それは資産運用においても例外ではありません。世の中のすべてを不信の目で見ているような人は、かなり高い確率で長期的には儲かりません。

参考までに私が資産運用をするうえで信じるもの、それは下記のような原理原則です。

・長期的に見ると、金融市場は実体経済(GDP)の成長と共に成長する。

・長期的に見ると、金融市場の中でも株式市場の成長が最も高い。

・金融市場は常に上下に変動するものだ(特に株式市場の変動は大きい)。

・個人が投資で着目すべきは、短期の価格変動でなく長期の資産成長である。

・将来を正確に見通すことはできないので、分散投資を心掛ける。

・投資成果は「投資金額」「投資収益率」「投資年数」で決まる。

・投資収益率を決めるのは、「資産配分」「銘柄選択」「タイミング」。

・自分にあった「資産配分」を決めることが重要(人的資産と金融資産)。

・「銘柄選択」は優れた投資信託を活用するのがいい(信じて託せる運用会社)。

・「タイミングリスク」を低減させるため最大限の時間を使うべき(長期継続)。

このような歴史的に見ても、また経済学の理論上も、おそらく正しいと思われる原理原則を信じ、正しく実践する人こそが、人生の豊かさを実現していく者(=儲かる)になるのだと、私は信じています。

 

2つの寿命

2017年11月8日

最近「資産寿命」という言葉を知りました。

人生100年時代には「健康寿命」と「資産寿命」が重要とのこと。

当たり前と言えば当たり前ですが、上手い言い方だなあーと思います。

せっかく長生きしても健康でなければつまらないし、退職後の時間が有り余っていても、資産(お金)が尽きては愉しむこともできないばかりか、生活にさえ困窮してしまいます。

本格的な少子高齢化社会を迎え、公的年金だけに老後資金を頼れない時代、

「健康寿命と資産寿命」、この2つのキーワードについて、これからを生きる私達は真剣に考えなくてはなりません。(どうしても先の長い話は、緊急性がなく後回しになってしまうのですが…)

またこの2つの寿命は、実は別物ではなくリンクしていると考えられます。

資産寿命が長い安定した家計の人は、健康状態も良好である確率が高いように感じます。逆に資産寿命が今にも尽きそうな人は、心身共に疲弊し、健康状態も悪くなる傾向にあります。

「よって資産寿命を長くする取り組み(長期投資)は、健康寿命を長くすることにも繋がる。」

そんな仮説を立てながら、お客様の資産運用をサポートしていければ、ファイナンシャル・アドバイザーとして、こんなに有意義で愉しいことはありません。私たちの仕事が、もしかしたらお客様の健康寿命を延ばすことに貢献できるかもしれないのですから…。

バリューマネジメントは、お客様の人生を支える資産寿命の長期化を図るため、家計に適切な投資ポートフォリオを導入することを提唱しています。

この取組みで大切なことは、マーケットの長期的な成長を、長期的かつ継続的に獲得する仕組みをつくることであって、短期的なタイミングで証券を売買することではありません。

「タイミングより時間が大切」

今まで何度も申し上げてきた事ではありますが、日経平均株価が25年ぶりの高値を奪回したタイミングで、改めて皆さんにお伝えしたいと思った次第です。

マーケットレビュー(2017年10月)

2017年11月2日

2017年10月(前月)の金融経済レビューをいたします。

直近1カ月分の「社会・経済のニュース」と「金融市場の動き」を関連付けて観ることは、「金融リテラシーの向上に役立つ」と同時に、「長期投資に付随する変動(ボラティリティ)の要因を理解すること」につながります。それがマーケットの上昇時も下落時もしっかり投資に向き合うことができる秘訣だと私は思います。それでは下記情報をご確認頂き、自分としてどう捉えて、どう考えるか?

「是非お試しください!」

 

■2017年10月、IFA中浜祐士が注目したニュース(社会・経済)

2日、日銀短観10年ぶりの高水準、大企業製造業+22(6月調査から+5)。

2日、つみたてNISA(2018年から開始)の口座開設手続きがスタート。

3日、米ベインキャピタルが広告第3位アサツーディ・ケーへのTOBを実施。

5日、インド中銀、2017年度経済成長率の見通しを下方修正(年7.3%→6.7%)。

5日、家計の外貨預金が2017年6月末時点で6兆円を超えて、3年ぶりの高水準。

6日、2017年世界経済予測で10年ぶりに主要45カ国がそろってプラス成長に。

10日、内閣府9月景気ウォッチャー(街角景気)で国内景気の勢いを確認。

11日、香港政府は中小法人の税率を8.25%に半減(課税所得約2800万円以下)。

11日、FRBは9月FOMC議事録を公表。年内の追加利上げを見込む(12月予想)。

13日、商工中金が不正融資で500人規模(営業職の1/3)の処分検討。

14日、米ハリケーンの影響で三大損保に2000億円超の支払いが発生。

16日、国税庁、ビットコインの運用で得た所得を「雑所得」として取り扱う。

18日、世界株式市場でESG投資の残高が約23兆ドルに(全体の1/3)。

18日、NYダウが23,000ドルを突破。S&P500、ナスダックも史上最高値更新。

19日、中国の7-9月GDPは+6.8%。市場予測の+6.7%を若干上回る。

19日、日産は不祥事(無資格者の検査)で、国内向けの出荷停止。

22日、日本企業や個人が持つ海外資産が初めて1000兆円突破、過去5年で5割増。

22日、第48回衆議院選挙で与党が圧勝。安倍政権再始動。

23日、衆議院選挙で与党勝利、日経平均15日続伸(その間の上昇率は+6.6%)。

25日、中国では習近平総書記の2期目(2022年まで)がスタート。

26日、ソニーの今上半期(4-9月)決算は前年比3倍の約3000億円に。

26日、3月決算上場企業1587社の上半期は営業利益8.2%増。

26日、欧州中銀(ECB)は来年1月から量的緩和縮小を開始することを決定。

27日、米ITビッグ5(アップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック)好決算で株価大幅高。

28日、米国の7-9月GDP(速報値)は+3.0%成長、消費・投資が堅調。

30日、三菱UFJ信託銀行は、来年4月から新規住宅ローンの新規融資から撤退。

31日、日銀は短期金利をー0.1%、長期金利をゼロ程度に誘導する現状維持を決定。

 

■2017年10月の金融市場の動き

【10月末の長期金利】

金利に関しては、表面上の動きは乏しいものの、世界景気拡大と今ひとつ物価が上がってこないという、過去の経験則から言えば相反する事象の狭間で金利上昇のエネルギーを溜めているように見えます。しかし金利が上昇したら国債を買いたいという機関投資家の潜在的ニーズ、そしてテクノロジーの発展によるデフレバイアス等が金利の見えない壁になっているようです。

日本10年国債  0.07% 前月比+0.01%  年初来 +0.03%

米国10年国債  2.38% 前月比+0.05%   年初来 -0.06%

ドイツ10年国債 0.37% 前月比-0.10%  年初来 +0.18%

英国10年国債  1.33% 前月比-0.02%   年初来 +0.09%

 

【10月末の先進国株式】

9月と打って変わって、10月の世界株式市場は堅調なマクロ経済、ミクロ経済(企業業績)を背景に、強気に転じました。株価上昇は実体経済の強さや企業業績の伸びを背景にしていますので、多少の割高感はあるものの、バブルのような過熱感や高揚感はありません。また足元、北朝鮮情勢が静かになっていることも含め、アジアの地政学リスクへの警戒感が薄れたのも相場上昇を後押ししました。

日本(TOPIX)  1765.96  前月比+5.4% 年初来+16.3%

米国(S&P500)  2575.26   前月比+2.2% 年初来+15.0%

(ナスダック) 6727.67  前月比+3.6% 年初来+25.0%

ドイツ(DAX)  13229.57  前月比+3.1% 年初来+15.2%

英国(FTSE100) 7493.08  前月比+1.6% 年初来+4.9%

 

【10月末の新興国株式】

10月はインド株式市場が大幅高となりました。今年度GDP成長率を下方修正したにも関わらず、逆に今後の景気対策への期待が高まったのです。このようにマーケットとは、市場参加者が「事実をどう解釈するか」で方向性が決まってきます(特に短期的には)。逆にどんなにいいニュースでも、それを悪く解釈してしまうと市場は下落してしまいます。しかしそんな時こそチャンスであることを常に忘れてはなりません。

中国(上海総合)  3393.34  前月比+1.3% 年初来+9.3%

インド(SENSEX) 33213.13 前月比+6.2% 年初来+24.7%

ブラジル(ボベスパ) 74308.49 前月比0% 年初来+23.4%

ロシア(RTS)   1113.41  前月比―2.1% 年初来-3.4%

 

【10月末の商品市況】

米国のハリケーン被害の復興需要、OPECのさらなる減産、イラクにおけるクルド問題等の中東の地政学リスクの高まりから、原油価格は大幅高。昨年末と比べ、ずっと低位に推移していた原油価格が、ここにきて昨年末の水準を超えてきました。円ドルレートはまだ昨年より若干円高ですが、年末に向けて日本のガソリン価格も少し高くなりそうです。

WTI原油先物(1バレル)54.38ドル 前月比+5.2% 年初来+1.2%

NY金先物(1オンス) 1267.0ドル 前月比-1.1% 年初来+10.2%

 

【10月末の為替市場】(+は円安 -は円高)米ドル安、ユーロ高が進展。

為替市場では、10月久しぶりに米ドル高(対ユーロ、対円等)になりました。今後はおそらく米国が12月に利上げをすると予測されますし、欧州も金融緩和縮小が来年1月から実際に始まります。一方日本では衆議院選挙で与党が圧勝し、安倍政権、日銀も黒田総裁の体制が継続する関係で、それに伴い金融緩和の継続が予想されます。年末にかけてもう少し円安が進む可能性が高まっている気がします。但し北朝鮮情勢の悪化等が表面化した場合には105円くらいの円高の可能性も当然あり、結論、短期的な為替の動きはわからん(笑)ということです。

米ドル/円  113.63円  前月比+1.0% 年初来-2.8%

ユーロ/円  132.38円  前月比―0.5% 年初来+7.6%

英ポンド/円 150.99円  前月比+0.2% 年初来+4.8%

豪ドル/円  87.02円   前月比-1.4% 年初来+3.2%

 

以上。

資産運用と心理学

2017年10月24日

個人的に毎年10月の楽しみといえば、野球のポストシーズンです。

メジャーリーグのワールドシリーズ、特に今年はロサンゼルス・ドジャースのダルビッシュ有、前田健太の両投手の活躍に期待したいです。また横浜在住で広島カープファンの私としては、セ・リーグのクライマックスシリーズ「広島カープVS横浜DeNAベイスターズ」を今まさに、複雑な想いで観ております(笑)。

もう一つ、毎年10月に注目する出来事があります。それはノーベル賞の発表。

昨年はノーベル文学賞をシンガー・ソングライターのボブ・ディラン氏が受賞して話題になりました。今年も日本の季節の恒例行事ともいえる「今回こそ村上春樹」いう期待も高まる中、ノーベル文学賞は日系英国人のカズオ・イシグロ氏ということで、こちらも大変話題になっているところです。また今年は、化学や物理学等の理系分野で、日本人の受賞がなかったのは残念でした。

そして何といっても、私の専門でもあるところで、注目すべきは経済分野です。
今年のノーベル経済学賞は「行動経済学」で有名な米シカゴ大学のリチャード・セイラー氏に決まりました。合理的な経済学の意思決定の分析に、心理学(人間の感情等)に基づく現実的な仮定を組み込んだ功績を讃えられての受賞です。

彼のアプローチは、1990年ノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツ氏の現代ポートフォリオ理論(市場は効率的であることを前提に、統計的かつ合理的に経済活動や資産運用を捉えた理論)とは一見正反対のように見えるのですが、この対照的な2人が、シカゴ大学で学び研究をしていたこと、そして同じくノーベル経済学賞を受賞したことが、私にはとても面白く感じられます。

ところで「資産運用はサイエンス(科学)でもあり、アート(芸術)でもある」という言葉がありまして、実は一見正反対に見えるこのお二人の理論は、どちらが正しい、正しくないという話ではなく、実際の資産運用の実務においては、両方の側面が必要不可欠だと感じます。

弊社でもお客様の資産運用を適切なかたちでサポートしていくうえで、合理的なポートフォリオ運用のフレームワークを提供すると同時に、お客様の価値観、性格、感情、リスク耐性のような漠然とした合理的でないものを、どのようにポートフォリオに反映させるか考えます。特に資産運用に付随する価格変動に影響を受ける感情が、誤った投資行動を引き起こさないよう、とても注意を払っています。

また長年にわたる資産運用実務の中で、資産運用で成功するための「人格や性格や心構え」のようなものが、確かに存在すると感じます。

それが何かを理論的に確認するうえでもセーラー教授の行動経済学を代表とする「資産運用と心理学の関係性」は大変興味深い分野です。

資産運用においては、市場の価格変動(上であっても、下であっても)によって、心が揺さぶられ、心配になった時に、誤った意思決定をする可能性が一番高くなります。

そんな時にこそバリューマネジメントのファイナンシャル・アドバイザーにご相談ください!適切なアドバイスで正しい意思決定ができるよう、しっかりサポートさせて頂きます。

「吉田カバン」と「フェラーリ」

2017年10月12日

先日、日経新聞のコラムで、吉田カバンの吉田社長が「商品を値下げしない誇りを」というお話をされていました。(街を歩いていると、吉田カバンのPORTERシリーズの鞄を愛用しているビジネスマンも結構多いように感じます。)

【以下、吉田社長のお話の抜粋・要約】

「私たちは原則として値下げをしないという信念があり、お客様やものづくりの現場を大切にしたいと思っている。」

「なぜ値下げをしないのか?それは定価で買ってくださったお客様に大変申し訳ないからだ。自分が定価で購入したものが値下げされているのを見れば、悔しい思いに駆られるだろう。」

「値下げをすることは、長年我々が大切に育ててきたブランドイメージを崩すことになる。さらに大事なのは、縫製職人さん、部材屋さん等、商品に関わってくれた全ての心ある人々の結晶が商品であるということだ。このような大切なものを簡単に値下げで処分することはできない。」

また他日の日経新聞では、超高級車で有名な「フェラーリ」の記事が掲載されていました。

世界的にAI(人工知能)による自動運転やEV(電気自動車)の普及が本格化してきそうな状況下、既存の自動車会社の株価は低迷し、逆に新興勢力(グーグルなどのIT企業や電気自動車のテスラ)の株価は大きく上昇していますが、その中で異彩を放っているのがフェラーリ。同社は2015年10月に米国株式市場に上場していますが、2017年の株価上昇率は+97%(8月末時点)にものぼります。(ちなみにEV大手テスラは+67%、フォードモーターは-10%)

フェラーリの車づくりは職人的で、自動車業界で最もITなどの技術革新から遠い存在と言われています。そして年間1万台未満しか生産・販売しないことで、強固なブランド力を保ち、株式市場もそれを高く評価しています。

様々な工夫や努力で製品やサービスの価格を下げ、幅広い消費者の生活を楽にすることは大変意義がある一方、長期的に、値下げ競争は商品やサービスの質を劣化させ、企業を弱体化させ、結果として消費者の生活を脅威にさらすことになりかねません。

「いい製品をつくり、いいサービスを提供して、お客様に満足して頂き、適正な価格を快く支払って頂ける。」それが企業の理想の姿だと私は思います。吉田カバンとフェラーリは、業種は違えど、その理想の姿を体現しているように思います。

話は変わりますが、資産運用業界はどうでしょうか?

来年から制度が始まる「積立NISA(年間40万円まで20年間非課税)」では、金融庁主導で商品(投資信託)のラインナップに厳しい制限が入りました。

積立NISAのコスト面の条件は販売手数料がゼロ、保有時にかかる信託報酬は国内資産で運用するインデックス投信の場合、0.5%以下、アクティブ投信で1%以下です。実際、大多数の運用各社は金融庁のご威光に逆らうことなく、信託報酬(運用報酬)を急激に下げ、国内インデックスファンドでは平均で0.27%くらいになっているようです。

過去の日本の、投資信託の短期売買等で投資家から過剰かつ不当な手数料を搾取したいたと言われても仕方がない歴史を考えると、投資家を守る金融庁の姿勢もわからなくはありませんが、それが本当に正しい姿かと言えば疑問です。

実際、数少ない気骨ある運用会社は、この手数料値下げ競争に意義を唱え警鐘を鳴らしています。私としては、これらの運用会社こそが、運用業界の吉田カバンであり、フェラーリなのだと感じますし、信頼できる運用会社だと思います。

またコスト競争の背景には、日本は米国に比べて資産運用コストが高いという議論があります。しかしそれは一面において正しいのですが、ある面では正しくありません。

なぜなら米国の投資家の多くは、運用商品に係る手数料等に他に、ファイナンシャルアドバイザーに預かり資産の1~2%程度を別途毎年支払っているからです(ネットで自分でやる場合は別)。

よって日米の金融商品単体のコストだけを比べるのはナンセンスです。一方で、残念ですが日本においては、アドバイスに係る報酬(アドバイザリーフィー)も含む資産運用コストが、金融商品の中に内包されていて解りづらいのも事実です。

弊社は、以前から金融商品仲介業の仕組みの説明を通じて、皆様に支払って頂いている資産運用のコストとその対価としてのサービスを丁寧にお話しさせていただいております。

今後も弊社は、「安かろう・悪かろうの罠」に陥ることなく、吉田カバンやフェラーリのような価値観を持って、パーソナル資産運用サービスを進化させていきたいと思います。それによって、皆様の資産運用コストが納得できるものになるよう努力を継続してまいります。

…ということで、今後ともよろしくお願いいたします(笑)。

マーケットレビュー(2017年9月)

2017年10月4日

2017年9月(前月)の金融経済レビューをいたします。

直近1カ月分の「社会・経済のニュース」と「金融市場の動き」を関連付けて観ることは、「金融リテラシーの向上に役立つ」と同時に、「長期投資に付随する変動(ボラティリティ)の要因を理解すること」につながります。それがマーケット下落時もしっかり投資に向き合うことができる秘訣だと私は思います。

先月前半は北朝鮮問題や米国のハリケーンの影響からリスクオフの円高が進捗。一時107円台まで突入し株式市場も低調に推移しましたが、後半に米国FRBが量的緩和の縮小、またトランプ大統領と共和党が30年ぶりの大型減税策を発表したことで、円安ドル高に、また株式市場も先進国を中心に上昇しました。

個人的には、英国のダイソンが電気自動車に参入することに大きなインパクトを受けました。フランス、英国、中国がガソリン車の廃止を決定した中、今まさに世界は産業構造の大きな変曲点にいるのだなあーという実感があります。国際情勢や政治が不安な状況下、世界的に企業業績は堅調です。その背景には単なる景気循環ではなく、経済の仕組み・モデル・ルール等が大きく変わる中で、さらなる成長の芽があちらこちらに生まれてきている事実がある気がします。私たちはその成長の芽を、優良ファンドと通じて皆さんのポートフォリオの中にしっかり届けていかなければならないと思っております。

さて、それでは下記情報をご確認頂き、自分としてどう捉えて、どう考えるか?
「今月も是非お試しください!」

■2017年9月、IFA中浜祐士が注目したニュース(社会・経済)
1日、ユーロ圏の8月消費者物価指数(コア指数)は前年同月比+1.2%。
1日、米国物価は5カ月連続鈍化。7月は前年比+1.4%、目標+2%を下回る。
1日、8月の米雇用統計15.6万人増(市場予測18万人を下回る)。
3日、世界の上場企業の税負担率が10年前の27.8%から24.6%に低下。
3日、アジア各国の政府・中央銀行の外貨準備高(7月末)が過去最高水準。
3日、北朝鮮がICBM用水爆実験を断行。爆発規模は過去最大。
6日、米大統領は不法移民在留許可制度を撤廃。経済損失は4063億㌦と試算。
6日、米債務上限上げについて合意(12月まで)。債務不履行ひとまず回避。
7日、ECB(欧州中銀)は、来年からの金融緩和縮小を10月に決める考えを発表。
8日、円高加速107円台に突入。米ハリケーン「イルマ」北朝鮮情勢でドル売り。
11日、財務省は、日本郵政株式の月内追加売却を発表。株価は公開後低迷。
11日、国連安保理は北朝鮮への追加制裁を採択。
12日、中国がガソリン車禁止に関して、具体的な導入時期の検討に入った。
12日、米アップル社は、アイフォーンの新機種Xを発表。
13日、7-9月の大企業景況感指数は2期ぶりにプラスに転じる。景気堅調。
19日、日経平均2年ぶりに高値更新。衆議院解散、米国緩和縮小を材料に円安。
19日、三菱UFJは国内の事務作業の自動化で9500人分の労働量削減と発表。
19日、米トイザラスは破産申請。アマゾンにシェアを奪われる。
20日、任天堂9年ぶりに時価総額6兆円を回復。業績不振から回復。
20日、米FRBが「量的緩和の縮小」を10月から開始すると発表。
21日、日銀は金融決定会合で「金融緩和の維持」を決定。
21日、外国為替市場で英国ポンドが利上げ観測で1年3ヶ月ぶりの高値水準へ。
24日、独総選挙でメルケル与党勝利(メルケル首相4選)するも、議席大幅減。
25日、安倍総理が28日に衆議院解散を表明、10月22日投票日。
26日、英家電大手ダイソンが2020年までに電気自動車に参入すると発表。
27日、米大統領と共和党は30年ぶりの大型減税案を発表、今後議会で審議。
28日、東芝は、日米韓連合と半導体部門(東芝メモリ)の売却契約を締結。
30日、日本製造業の雇用者数が7年ぶりに1000万人超に(国内回帰)。
30日、中国のPMI(製造業景気指数)が5年5ヶ月ぶりの高水準に。

■2017年9月の金融市場の動き
【9月末の長期金利】
欧米の金融緩和縮小、英国はインフレから利上げ予想で長期金利は上昇。

日本10年国債  0.06% 前月比+0.05%  年初来 +0.02%
米国10年国債  2.33% 前月比+0.22%  年初来 -0.11%
ドイツ10年国債 0.47% 前月比+0.10%  年初来 +0.28%
英国10年国債  1.35% 前月比+0.32%   年初来 +0.11%

【9月末の先進国株式】
日欧企業業績が堅調で株価上昇、年初来水準で米国をキャッチアップする状況。

日本(TOPIX)  1674.75  前月比+3.5% 年初来+10.3%
米国(S&P500)  2519.36   前月比+1.9% 年初来+12.5%
(ナスダック) 6428.66  前月比+1.0% 年初来+20.7%
ドイツ(DAX)  12828.86  前月比+6.4% 年初来+11.7%
英国(FTSE100) 7372.76  前月比ー0.8% 年初来+3.2%

【9月末の新興国株式】
米国の量的緩和縮小を警戒して新興国市場の上昇は全般的に一服。ブラジルはインフレは利下げ期待から大幅続伸。

中国(上海総合)  3348.94  前月比ー0.4% 年初来+7.9%
インド(SENSEX) 31283.94 前月比-1.4% 年初来+17.5%
ブラジル(ボベスパ) 74293.51 前月比+4.9% 年初来+23.4%
ロシア(RTS)    1136.75  前月比+3.7% 年初来-1.4%

【9月末の商品市況】
金はリスクオフ懸念の後退で下落、原油価格は相変わらず変動が大きいが、45ドル~55ドルのレンジを行ったり来たりしている状況、強弱材料が綱引き。

WTI原油先物(1バレル)51.67ドル 前月比+9.4% 年初来-3.8%
NY金先物(1オンス) 1281.5ドル 前月比ー2.6% 年初来+11.4%

【9月末の為替市場】(+は円安 -は円高)
金融政策の違いから円安進捗。特に英国ポンドが大きく上昇。

米ドル/円  112.51円  前月比+2.3% 年初来-3.7%
ユーロ/円  132.99円  前月比+1.5% 年初来+8.1%
英ポンド/円 150.76円  前月比+6.0% 年初来+4.6%
豪ドル/円  88.24円   前月比+1.0% 年初来+4.6%

以上。

イノベーション

2017年9月22日

半年前に日本証券アナリスト協会が開催した国際セミナー「資産運用ビジネスの新しい動きとそれに向けた戦略」のパネルディスカッションの中で、農林中金バリューインベストメントCIOの奥野一成氏が「イノベーション」について面白いことをおっしゃっていたので、下記にご紹介いたします。

『日本ではイノベーションは技術革新と訳してしまうが、米国では小さな改善でもイノベーションと呼んでいる。例えば、米国のクロロックス社は、液体状の漂白剤を噴霧状にしたことをイノベーションと称していた。これも社会や顧客の問題を解決した一つの事例といえよう。究極の素材を開発することではなく、顧客の問題解決をすることこそイノベーションであり、顧客とのバリューポイントを大事にしているかという点が重要なことだ。』

私も奥野氏の考え方に賛同します。

そして、ここが日本企業の弱いところだなあーともつくづく思います。
(東芝やシャープのような技術力を持っていてもこの有様です。)

また米国(米国人)がいいのは、やはりこのイノベーションに関する感覚。ちょっとした改善をイノベーションと堂々と言えるところ…ですかね(笑)。

そこで改めて「弊社(バリューマネジメント)にとってイノベーションって何?」と考えてみました。

私的には弊社は資産運用の焦点を、完全に「個人バランスシートの価値向上および保全」に絞りこみ、それを「長期的かつ丁寧にサポートすることにコミットしている」点だと思います。それは結果として、お客様の「信頼すべき資産運用の相談相手(パートナー)」になるということでもあります。

「信頼すべき資産運用の相談相手(パートナー)」

世界有数の金融資産大国日本において、これほど不足しているものはあるでしょうか?「需要と供給のミスマッチが甚だしいにもほどがある」と言っても言い過ぎではないかと思います。

今まで日本には本当に資産運用を信頼して相談できる先がなかった。(専門性の欠如であったり、利益相反であったり、過剰な手数料商売であったり、理由は諸々)

今後も人生100年時代などと言われる一方、年金だけでは引退後の生活は成り立たない、よって長期的な視点で資産運用管理をしなければならないのに、日常の仕事は忙しく、専門的な資産運用の勉強を膨大な時間をかけてやることが効率的か疑問であるし、と言って簡単に自分の大切な資産を既存の証券会社や銀行に相談をしていいものだろうか?

そんな問題の解決を図るのが、弊社のイノベーション。
個々人の資産価値向上のみを目的とした資産運用会社=パーソナル・アセットマネジメント・カンパニー。それが弊社のコンセプトです。

通常、今までの資産運用会社(例えば、野村アセットマネジメントや大和投信等)は、不特定多数の人のお金を集めて、何か儲かるものに投資をするというスタイルでここまできました。一般的に運用会社は個々のお客様の個別特性を考慮することはありません。預かったお金をルールに基づき増やすことだけが使命と言えますし、実はそれでOKです。

本来、お客様の個別特性を考慮すべき、金融機関は証券会社や銀行だと思いますが、完全にお客様サイドに立つことはビジネスモデル上、相当困難であることは、おそらく現場の方が一番分かっているような気がします。

バリューマネジメントはビジネスモデル上、お客様の長期的な資産価値向上にコミットメントすることだけに集中できるかたちになっているので、そこもイノベーションを起こすのに有利な点だと思っています。

まあとにかく、小さな改善でもイノベーションです。

あまり大きなことばかり考えず、毎日コツコツと会社や家庭で何かしらイノベーションを起こしていきたいものです(笑)。

風が吹けば…

2017年9月12日

先日、日経新聞に来年「パナソニック」が100周年を迎えるという、大きな広告が掲載されていましたが、やはりパナソニックと言えば、経営の神様である創業者松下幸之助を抜きに語ることはできません。

創業者松下幸之助の意志が、100年継続するパナソニックの根っこにあり、また社会に必要とされ貢献しなければ、100年も続けることは絶対にできないことを考えると、心から「おめでとうございます。」と申し上げたい気持ちになります。

私も会社経営者の端くれとして、時々思い出したように(大体は仕事で思い悩んだ時ですが)、松下幸之助氏が昭和43年から連載していた短文をまとめた「道をひらく」という文庫本を読んでいます。今でも大きな本屋さんに行くと、結構売れているようです。ベストセラーなので読んだことがある方も多いのではないでしょうか。

さて今回パナソニック100周年の新聞広告を見て、私も改めて読んでみましたが(3年ぶりくらいかなー)、やはり名著は何度読んでも、常に新しい気づきがあるものです。本の内容は変わらなくても、自分自身の状況や変化や成長によって読むポイントも微妙に変わってくるからなのでしょう。

最近は「市場変動と投資家の行動心理との相関」に興味が深いせいか、印象に残ったのは…「風が吹けば」というタイトルの文章でした。

 

「風が吹けば」

風が吹けば波が立つ。波が立てば船も揺れる。

揺れるよりも揺れないほうがよいけれど、

風が強く波が大きければ、何万トンの船でも、

ちょっと揺れないわけにはゆくまい。

これを強いて止めようとすれば、かえってムリが生じる。

ムリを通せば船がこわれる。

揺れなければならぬときには揺れてよかろう。

これも一つの考え方。

大切なことは、うろたえないことである。あわてないことである。

うろたえては進路を誤る。そして沈めなくてもよい船でも、

沈めてしまう結果になりかねない。

(以上本文から一部抜粋)

 

皆さんは読んでみてどう感じましたか?

私はこの文章は、長期投資に付随する短期変動への心構えとして、あるべき姿を見事に表現していると思います。いや投資だけでなく、仕事や生活や人生全般に通じる普遍的な心構えです。

「変動を無理に回避すること」を最新の金融工学で商品化したのが「サブプライムローン債券」や「仕組債」と呼ばれるものであり、その崩壊の結果が2008年のリーマンショックであったと私は捉えています。

私自身も改めて「風が吹けば」を読み、お客様の長期投資と共にある「バリューマネジメントという船」を沈めないために、文中にもあるよう「うろたえないよう、あわてないよう」頑張っていきたいと、心を新たにした次第です。

それでは皆さん、引き続きよろしくお願いいたします!

 

マーケットレビュー(2017年8月)

2017年9月5日

2017年8月(前月)の金融経済レビューをいたします。

直近1カ月分の「社会・経済のニュース」と「金融市場の動き」を関連付けて観ることは、「金融リテラシーの向上に役立つ」と同時に、「長期投資に付随する変動(ボラティリティ)の要因を理解すること」につながります。それがマーケット下落時もしっかり投資に向き合うことができる秘訣だと私は思います。

今月のポイントは、「堅調さを保つ世界経済および企業業績」(好材料)VS「米国の内政・災害リスク、スペインのテロ、北朝鮮問等の地政学リスク)」(悪材料)。この2つの綱引きで、金融市場は動くに動けない状況。それをどう見るかといったところでしょうか?

特に先進国の長期金利が、この1カ月でかなり低下したところに、市場参加者の先行きに対する警戒感の強さを感じます。

それでは下記情報をご確認頂き、自分としてどう捉えて、どう考えるか?

「是非お試しください!」

 

■2017年8月、IFA中浜祐士が注目したニュース(社会・経済)

1日、ユーロ圏2017年4-6月GDPは、年率2.3%成長。内需主導で堅調。

1日、米国物価は4カ月連続鈍化。6月は前年比+1.4%、FRB目標+2%を下回る。

1日、米アップル4-6月期決算は12%増益。iPhoneの大画面モデル堅調。

2日、NYダウが初の22,000ドルの大台へ。アップルの好決算を好感。

4日、米国自動車販売7ヵ月連続減少。これは構造的な問題?(ライドシェア台頭)

4日、7月米雇用統計で雇用者数は+20.9万人。市場予測18万人を上回る。

8日、日本の2017年上期経常収支は10.5兆円の黒字。リーマン危機後最大。

9日、北朝鮮が核弾頭の小型化に成功したという報道が原因で「円高、株安」に。

10日、日本の公募投信の7月末残高が102兆円に。2年ぶりに最高値更新。

10日、北朝鮮問題の緊迫化で「VIX指数(恐怖指数)」の売買高が過去最高に。

11日、中国が通貨・人民元の切り下げを行ってから、ちょうど2年が経過。

12日、日本企業2018年3月期決算、純利益+13.6%増予想(3%程度上方修正)。

14日、仏マクロン大統領が就任3ヵ月。歳出削減等の政策が不人気で支持率急落。

14日、日本2017年4-6月GDPは+4.0%(予想+2.4%)。消費と投資が堅調。

15日、トランプ大統領の白人至上主義を巡る発言「双方に非がある」が大問題に。

16日、中国ネット大手アリババが、日本でスマホの電子決済サービスを始める。

18日、スペインのバルセロナでイスラム過激派によるテロが起きる。

18日、米トランプ大統領はバノン主席戦略官を解任。政権の混乱収束みえず。

22日、世界最大のHF(ブリッジウォーター)が、政治リスクから米国株弱気に。

22日、インドネシア利下げ実施。他の新興国も金融緩和の動き(先進国と反対)。

23日、米小売り大手ウォルマートとグーグルがネット通販で提携(VSアマゾン)。

25日、日本物価じわり上昇。7月の物価は前年同月比+0.5%(7ヵ月連続上昇)。

25日、米国ハリケーン「ハービー」直撃。トランプ政権の危機対応能力試される。

29日、北朝鮮が弾道ミサイル発射、日本上空を通過。日米韓、緊急安保理を要請。

 

 

■2017年8月の金融市場の動き

【8月末の長期金利】

米欧が量的緩和縮小に向かう段階に及んでも、長期金利は上昇するどころか下落している。米国で車が売れなくなっている背景にシェアリングエコノミーの進展等の構造問題があると言われるが、長期金利が上昇しないのも構造問題なのだろうか?それは今のところ判断するのは正直難しいところだと感じる。

日本10年国債  0.01% 前月比-0.07%  年初来 -0.03%

米国10年国債  2.11% 前月比-0.19%   年初来 -0.33%

ドイツ10年国債 0.36% 前月比-0.18%  年初来 +0.17%

英国10年国債  1.03% 前月比-0.2%   年初来 -0.21%

 

【8月末の先進国株式】

株式市場は、好調なマクロ経済、企業業績を背景に堅調だが、全体として膠着状態に突入。世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター」の創業者レイ・ダリオが、「政治リスクがかつてないほど高まっている」と継承を鳴らしたり、北朝鮮の行動がエスカレートしていたり、スペインでテロが起きたり等の地政学リスクの高まりから、株式市況の変動率も高まっている。

日本(TOPIX)  1617.41  前月比-0.1% 年初来+6.5%

米国(S&P500)  2471.65   前月比+0.1% 年初来+10.4%

(ナスダック) 6428.66  前月比+1.3% 年初来+19.4%

ドイツ(DAX)  12055.84  前月比-0.5% 年初来+5.0%

英国(FTSE100) 7430.62  前月比+0.8% 年初来+4.0%

 

【8月末の新興国株式】

新興国市場の最大の懸案事項は、米国の量的緩和縮小による米ドル高で、自国通貨が大幅下落してインフレ率が高まり、またドル建ての借金の負担が重くなることで、社会・政治・経済が不安に陥ることだと思う。しかし足元では逆に米ドルが安くなり、自国通貨も安定していることから、景気回復に軸足を置いた政策(金融緩和策等)が可能になっている。その結果、株式市場も堅調に推移している。

中国(上海総合)  3360.81  前月比+2.7% 年初来+8.3%

インド(SENSEX) 31730.49 前月比-2.4% 年初来+19.2%

ブラジル(ボベスパ)70835.05 前月比+7.5% 年初来+17.6%

ロシア(RTS)   1007.14  前月比+8.8% 年初来-4.9%

 

【8月末の商品市況】

米国トランプリスクの高まりにおける米ドル安、そして北朝鮮等の地政学リスクの受け皿に、「金というアセットクラス」は健在のようである。ビットコイン等も受け皿的になっている感もあるが値動きが荒すぎるので、やはり「有事の金」ということであろう。原油価格は先月大幅反発の反動で下落。

WTI原油先物(1バレル)47.23ドル 前月比-5.9% 年初来-12.1%

NY金先物(1オンス) 1316.2ドル 前月比+3.9% 年初来+14.5%

 

【8月末の為替市場】(+は円安 -は円高)米ドル安、ユーロ高が進展。

為替市場では、米ドル安が進捗。トランプ政権下の米国通貨「ドル」への信認がすぐに揺らぐことはないと思うが、黄色信号が点滅しているような印象を受ける。円が日本の国内要因で積極的に買われることはなさそうだが、外部要因、例えば更なる米ドル安によって、もしくは今年高くなっているユーロが安くなること等に起因とする円高リスクはあるとみる。

米ドル/円  109.97円  前月比-0.2% 年初来-5.9%

ユーロ/円  130.96円  前月比+0.3% 年初来+6.4%

英ポンド/円 142.20円  前月比-2.5% 年初来-1.3%

豪ドル/円  87.39円   前月比-1.0% 年初来+3.6%

 

以上。

長期志向の会社に長期投資を

2017年8月22日

長期投資においては、長期的に成長する会社に投資をすることが大切です。

しかし残念ながら、どんな会社も一本調子で成長するなんてことはなく、必ず危機や困難に直面します。

それらを乗り越え、次の成長ステージに移行するには、優れた経営陣、社員、技術、アイディア、製品、サービス、強固な財務基盤、危機を乗り越える企業文化等々、様々なファクターが必要でしょうが、やはり何よりも経営者が長期志向(長期のヴィジョン)を持っていることが最重要だと私は思います。

その長期志向を持つ経営者ですが、やはりサラリーマン経営者よりも創業者(もしくは創業者一族)に多いように感じます。アップル創業者のスティーブ・ジョブスやアマゾンのジェフ・ベゾスがその典型ですが、彼らの興味は、四半期、半期、1年の短期業績などより、ビジネスを通じ、長期的に世の中を変革することにあります。

さてバリューマネジメントは基本的に、長期的に成長する企業の発掘および投資、いわゆる銘柄選択の作業を優れた運用会社に委託していますが、弊社が最も信頼する運用会社キャピタルの評価も高い日本の会社に「村田製作所」があります。

村田製作所は、1944年創業(京都市)の世界的な電子部品会社です。

(2017年3月期の連結売上高1兆1355億円、営業利益2012億円)

電子部品業界は一般的には馴染みが薄い業界ですが、電子部品の製造は、お椀や茶碗等の焼き物をつくることに通じるものがあり、とても職人的だと言われています。世界的に見て、日本の強みが最も活かされている業界だと感じます。

日本の大手電子部品会社6社(京セラ、ローム、村田製作所、日本電産、TDK、アルプス電気)のうち、4社が京都企業というのも決して偶然ではなく、「京焼」などの伝統文化の延長線上に電子部品会社の出現、発展があるのです。

今後、世界経済の潮流としてIOT(モノのインターネット化)が急速に進展する中、スマートフォンの高度化、自動車の自動運転等々、様々な社会的変化が予想されます。

その中で必要不可欠になってくる電子部品、センサーを供給する会社の中でも、同社は優れた技術力を背景に、高い競争力を有しています(特に同社の積層セラミックコンデンサーはスマホやテレビ等の蓄電に欠かせないコンデンサーの小型化、高性能化に成功している)。

そんな同社の村田恒夫社長が、2017年7月10日付日経新聞のインタビュー記事で以下のように語っています。

「一般論でいえば、部品ビジネスは市況性が高いので、いい時も悪い時もあるが、業績が悪化したからといって、投資をやめるようでは競争力はつかない。苦しい時でも、長期的な見通しにたって、新製品の開発投資や工場投資を継続することが大切だと思う。」

この村田社長の長期投資志向が、営業利益率20%の世界的な高収益企業を創りだしているのだと私は思います。

いかがでしょう。私たちの資産運用(長期投資)にも通じる考え方ではないでしょうか?

8月に入り、北朝鮮問題、米国トランプ政権の混迷、スペインのテロ等の政治リスク、地政学リスクの高まりによって、金融市場という市況は悪化傾向にあります。

しかしこのような時期を何度も乗り越え投資を継続することが大切です。そしてそのたびに、私たちの長期投資志向(マインド)は醸成され、それと同時に投資ポートフォリオの長期的な収益力も向上していくのだと思います。