資産運用が下手な人の特徴

2017年6月23日

当社のお客様の8割以上は東京在住の方々であるが、最近、地元愛媛の同級生らからも資産運用の相談をいただくようになった。長らく続く低金利で、さすがにお金をどこに置くべきか、みんな悩んでいるのだ。

数年前までは東京や横浜のお客様の対応を優先して手が回らなかったが、今後は友人らの相談にもしっかりと対応して貢献していきたい。その延長線上でバリューマネジメントの松山支店をオープンできればと考えている。

さて先週、高校の同級生の女性が東京に来たついでに運用相談に来た。話し始めて5分で全くのど素人と分かったため、難しい話はやめにして『とりえず俺の言う通りにした方がいい。』こととそうした方がいい理由を伝え、証券口座開設手続きをした。

彼女は、運用に関してはど素人であるが、今更、自分の専門外の運用の勉強をしたところで大したものにならないこと、自分で勉強するよりも私に任せたほうが上手くいくことを理解していた。ごく当たり前のことではあるが、これを理解していない人もたくさんいるのだ。これまでの経験上、彼女のようなタイプは、運用で成功する可能性が高い。逆に中途半端な知識で自分は他の人よりも上手くできると考えている人ほど運用は上手くいかない。運よくうまくいったとしても必ずどこかでやられてしまう。素人が勝てるほど甘い世界ではない。マーケットは機関投資家を中心としたプロの世界なのだ。素人がマーケットを打ち負かすということは、テニスで錦織に勝つこと、ゴルフで松山に勝つほど難しいのだ。

世界最強ともいわれるイエール大学の運用チームは、資産配分など運用戦略は自分たちで決めるものの、銘柄選択においては自分たちよりも運用が上手な運用者に任せている。自分たちよりも上手い人がいることを知っているイエール大学の運用チームは、己を知っているという点で本当に賢いというわけだ。

当社のお客様の特徴であるが、基本的に自分であれこれ勉強して考えるよりも中浜に任せた方がいいと考えている人達である。自分よりも上手くできる人を使って、自分がやるべきことに集中しているからこそ成功しているのだ。これはビジネスにも言える。自分で何でもやっている人は、たいした成果は出ない。税務のことは税理士に、社会保険のことは社労士など専門家にお金を払って任せるべきなのだ。

ファイナンシャルアドバイザーを10年やって本当に多くの人に会ってきたが、運用が下手な人が発する共通の言葉がある。

少し意外かもしれないが『もっと資産運用の勉強をします』という言葉である。この勉強しますという言葉を発する人は、残念ながら高い確率で投資センスがない人である。

例えば体調を崩して医者から適切なアドバイスをもらっているにもかかわらず、医者のアドバイスに従わず『まず自分で勉強します』と言っている患者のようなものである。『勉強はしないで、任せる』と言った同級生は、なかなかいい筋をしていると言える。もちろん本質的なことを理解する必要はあるが、資産運用は、素人が片手間でできるものではない。趣味や好奇心で自分で勉強してやるのは自由であるが、ネットや本の情報をかじって読んで出来るのであれば、誰でも成功できるはずである。

まずは自分で勉強するのではなく私達のアドバイスを素直に聞いてスタートしてみることをお勧めしたい。それが大きな一歩であり、適切なリスクをとって正しい方法で運用することが一番の勉強である。資産の変動に一喜一憂しないで感情をコントロールし、長く継続することが何よりも重要である。

投資経験を積めば徐々にいろんなことが分かってくる。うちの息子は投資を始めて5年になるが、長期投資の威力を理解しているし、成功体験を持ちつつある。机上の勉強ではなくマーケットの変動を体感すること。中途半端な知識で自分で運用することは危険であり、長く続かない。当社のお客様は日本のトップレベルの投資家といえる。みんな仕事で忙しく、証券口座の残高をちらちら見るような人はほとんどいない。

それぞれの仕事で成果を出して、運用に関しては、我々に任せている。お客様とアドバイザーの理想的な関係である。

日銀のバランスシート

2017年6月2日

日本経済新聞によると黒田日銀の異次元緩和で日銀のバランスシート(総資産)は500兆円を超えたそうだ。日本のGDPに匹敵する天文学的な数字である。この数字をどう解釈するべきなのか、非常に難しい問題である。

一方、アメリカは、今月のFOMCでFF金利を1-1.25%に利上げし、FRBのバランスシートも徐々に縮小していく可能性が高くなってきた。アメリカは、時間をかけながらも金融政策を正常に戻しつつある。

日米中央銀行の金融政策、バランシートから考えれば中長期では円安傾向である。さて円安のほうが日本経済にはいいという人がいるが、それはあまりにも短絡的である。

円安=自国の通貨が弱くなるというのは、日本人の給料が国際的に安くなるということである。給料だけではなく、年金も退職金も安くなるということ。1700兆円の個人金融資産の円建て部分の価値が下がるということである。

最近、実感するが、日本人の給料は、海外先進国や新興国と比べても安すぎる。特に大企業の管理職の給料に関しては、タイやマレーシアよりも低い感じがする。私が新入社員であった1993年と今の新入社員の初任給は数万円ほどしか変わっていないのだ。20年以上ほとんど給料が上がっていないのである。円安は怖い。ただでさえ安い名目賃金に円安による輸入インフレが追い打ちをかけ実質賃金が下がり、国民生活を苦しめる可能性が高いのだ。政府も日銀もインフレにして長期金利を抑えたいという意図はみえみえなのだが、国民はそんなことには気づかないという構図。問題は、これまでのように長期金利をコントロールすることは困難になっているということである。
金融政策の限界である。

個人だけではなく海外企業のM&Aや投資においても、弱くなった円は、マイナスである。グローバル企業の現地生産が進み、スロートレードと呼ばれるように貿易量そのものが減っている今、昔のように円安が日本経済を豊かにするような単純な効果はないのだ。

もちろん行き過ぎた円高もダメであるが行き過ぎた円安もまずい。為替は、ある一定水準で安定することが望ましいのだ。

日銀のバランスシートを見て個人が気を付ける点として、将来の金利上昇に対応するということ。変動金利で長期で借金することは極めてリスクが大きい。金利はこれ以上下がらないし、上がるしかないのだから。特に住宅ローン等の長期借り入れは、多少金利が高くなっても長期固定で借りるべきである。

資産運用においては、キャピタル(為替や短期の値動き)を読むのではなく、インカム(利息や配当)を長期で積み上げていくことである。