経済は機械のように動く

2017年5月31日

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオをご存知の日本人は少ないかもしれないが、アメリカでは誰もが知っている著名投資家である。

『カリスマ投資家の教え』 川上穣 著によるとダリオが12歳のときに近所のゴルフ場で始めたキャディーのアルバイトが、後に投資家として人生を歩むきっかけをつくった。当時ゴルフ場に来る客の多くは、ウォール街で働く羽振りのいいトレーダーたちで何気なく会話を聞くうちにダリオにも株式投資の関心が自然と芽生えるようになったとのこと。

あのバフェットもゴルフのキャディのアルバイトをしていたことは有名であるが、ゴルフと投資にはなにか因果関係があるのかもしれない。

さてレイ・ダリオの30分の動画が実に素晴らしいので、見てほしい。何が素晴らしいかというと、彼は世界トップレベルの投資家でありながら、誰よりも経済を深く洞察しているのだ。マーケットと経済はつながっていて、経済の理解なくしてマーケットを理解することは困難であることを誰よりも理解しているのだ。

衛星写真やドローンを飛ばしてスーパーマーケットの駐車場の車の台数から売り上げの傾向を分析してクオンツ運用する時代に、素人に毛が生えたような人が個別銘柄を短期売買するのは、ほとんど勝ち目のないゲームである。

10年近くファイナンシャルアドバイザーとして活動し、日々多くのお客様にお会いしているが、本当の意味で経済とマーケットの関わりについて理解していると感じた人は、数人であり、ざっくりいうと1000人に1人もいない計算である。自分は分かっているつもりのかたは、たくさんいるのだが、本当にみんな分かっていないというのが正直な感想である。それは堅苦しい経済の専門知識の話ではなく、資本主義や株式会社、金融市場、株式、外国為替、物価、金利などの本質を深く理解しているかどうかという話である。金融経済教育は、まさに私自身の今後の課題である。

さてレイ・ダリオの経済の洞察力は素晴らしい。トップレベルの投資家が以下のような動画をつくるアメリカは、やはり資産運用の先進国である。資産運用は怖いから、節約と預金だけでいいというのは、実に寂しい。

『経済は機械のように動く』は、実に興味深い。

英語ができる人は、レイ・ダリオ本人の肉声解説で聞いてほしい。