経済を学ぶ

2017年5月18日

最近20代の若いお客様が増えてきた。これまではある程度、金融資産を持った40代、50代を対象としていたが、数年前から将来性のある若者限定で資産運用アドバイスをすることにした。ビジネス的には殆ど利益はないが、未来につながると考えている。若者は金融資産はないが人的資産を持っている。彼らが人的資産をうまく金融資産に置き換えていくサポートをしていくことが大切だと思う。

若い人には、これまで以上に金融や経済について分かりやすく伝えることが必要である。若いうちはみんな自分の仕事に精いっぱいで自分の仕事が経済とどう関わっているのか客観的に見れる人は少ない。有名大学の経済学部を卒業しても殆どの人は経済のことは分かっていない。みんな日本経済の一員であり、経済に少なからず影響を受けているわけで、ビジネスや資産運用で成果を挙げるためには経済を理解しておく必要があるのだ。

世の中にはROEも知らないで個別銘柄を買っている人、長期金利がどう決まるのか?を知らないで借金して不動産投資している人、金利と債券価格の関係も知らないで債券ファンドを買っている人がたくさんいる。このような人たちが多ければ多いほどまともな投資家は勝てるということではあるが。勘に頼った投資は、よほど運がないかぎり、確実に失敗する。自己流で一生懸命ゴルフをやっても大して上手くならないことと同じである。

さて忙しいビジネスパーソンがどのように経済や金融を学べばいいのだろう?なかなか難しい問題であるが、経済知識を高める一助として日経電子版の経済指標ダッシュボードをお薦めしたい。

日々のニュースを断片的に見るのではなく、体系的に見なければ経済は読み解けない。GDPや消費者物価指数、失業率など経済指標の読み方が分かると仕事にも資産運用にも役に立つ。社会人になって経済を知らないと一流の経営者やビジネスパーソンと話をすることは難しい。自分が勤務する会社でしか通用しない人になってはいけないと子ども達にも伝えているが、さすがにまだ分からないか。最近、若い人が新聞を読まなくなったようだが、だからこそ新聞を読む若者には大いにチャンスがある気がするのだが。

今朝、1-3月期の日本の実質GDPが2.2%成長と速報値が発表されたが、日本経済は今のところ底堅くこのままいくと年率1.4%程度成長するのではないか。ヤマト運輸のドライバーの例のように労働不足で供給制約がある中で需給ギャップは解消され、潜在成長率0.8%を超える成長は、かなり堅調といっていい。このような数字と多くの人の生活実感はかけ離れている可能性があり、日本も中長期的な持続的な経済成長という面ではやや疑問はあるものの、海外経済などが崩れない限り、短期的には堅調に推移するだろう。短期では晴れ、中長期では曇りといった感じである。

また数日前からトランプのロシアゲートでマーケットは動揺している。森友問題がかわいく見えるほど深刻な問題を抱えるアメリカであるが経済のファンダメンタルズは依然として良好である。特にアメリカの失業率は4.4%と完全雇用状態であり、企業収益面からみてもかなり良好である。経済指標ダッシュボードから一目瞭然である。マーケットはトランプ問題に一喜一憂するものの今後は、アメリカの利上げ時期が最大の焦点となるだろう。

欧州経済もギリシャを除けば意外にも回復基調であり、地政学リスクや政治リスク以外に今のところ世界経済に大きなリスク要因はない。しいてあげるならば中国の不動産バブルと中国企業の過剰債務問題は深刻である。今後、どこかのタイミングでバブルは、はじけると思うが、中国政府がこの問題にどのように対処するのか注視したい。習近平政権は、ごまかしごまかし中国経済を操縦しているものの、減速方向に推移することだけは間違いなさそうだ。ハードランディングになるのか?それともソフトランディングできるのか?という問題である。