下手を固める

2017年11月20日

先週、宮崎にダンロップフェニックストーナメントを観戦しにいった。もちろん、松山英樹選手のプレーを見るためである。

昨年も狭山で開催された日本オープンを見たのだが、また体が一回り大きくなった印象であった。丸二日間ずっと松山の組についていったため、何度もテレビに映っていてゴルフに全く興味のない娘に笑われてしまった(笑)

さて松山英樹は、腰痛でショットが万全ではなかったが、やはりそのプレーは抜きんでていた。3日目一緒にラウンドした全米オープン覇者、ダンロップ2連覇のケプカ選手と並んでも肉体的に全く引けを取らないばかりか、松山のほうがより強靭なことが一目で分かった。日本人離れした肉体と正確無比なスイングを作りあげ、進化し続けている松山は、今最も輝いている日本人である。アメリカPGAツアーで通算5勝。2017-2018シーズンこそはメジャー制覇が期待されるが、世界を相手に堂々と戦う彼の一挙手一投足を見ていると、私自身も自然とモチベーションが上がった。

さて本題である。ゴルフをやったことのある人は、一度は聞いたことがあると思うが、ゴルフ用語に『下手を固める』という言葉がある。

つまり間違ったスイングで練習すればするほど悪い癖がつき、やればやるほど下手が固まってしまうということことである。

私自身、20代前半でマレーシアに駐在して、身分にそぐわないが数年間は毎週のようにゴルフをする機会に恵まれた。もし当時、いいコーチに教わっていたら今頃とんでもないことになっていたと思うのだが、当時は漠然と自己流でゴルフをやって下手を固めてしまった。
インド人コーチにならったりしたのだが、思うように上手くならずに解雇したり(笑)

あれから20年近くたつが、何事も基本を身につけて、正しい考え方で長期で実行しなければ上手くいかない。遅まきながら、ゴルフに関してもコーチに習い少しづつ上手くなってきたと思っているが、悪い癖の修正は難しい。もっと早くコーチの言うとおりにするべきであったことは間違いない。

資産運用においても同様である。最近多くの方をコンサルティングしているが、若い人たちは柔軟性があるし、頭も柔らかいし、アドバイスを素直に聞いてくれる人が多い。たまに頭ガチガチの若者もいるが、全体的には若者は素直である。もちろん年齢を重ねている人でも柔軟な発想ができる方も多いのだが、全体的には資産運用も自己流でやって下手を固めている中高年の人が実に多い。全くやっていない人より自己流で下手を固めている人ほど、やっかいである。

ゴルフでいえば、基本が全くなってないのに、今すぐ上手くなりたいと言っているようなものである。『どのクラブを買えばいいのか教えてくれ』は、『どの商品を買えばいいのか教えてくれ』と同じである。

資産運用もゴルフもそんなに簡単ではない。それどころか実に難しいのである。ゴルフが上手い人は、それなりに基本をしっかり学んで、日々トレーニングしているからこそ、うまいわけで、どんなプロでも最初から上手いわけではないし、トレーニングを怠ればすぐに駄目になる。多くのプロゴルファーもコーチをつけている。資産運用は、肉体を鍛える必要はないが、考え方と忍耐力をまなぶ必要がある。

ゴルフも資産運用も若い時にしっかりとした基本を身に着けた上で長期のビジョンを持って取り組むことが大切である。資産運用で下手を固めている40代、50代の方に対するアドバイスは、40代、50代で初めてゴルフをする人に対するアドバイスより難しいかもしれない。本人が下手を固めていることに気付いてもらうことが第一歩であるが、資産運用の場合は、ゴルフと違ってすぐに下手を固めていることが見えにくいため、より難しい。

資産運用で下手を固めている人に対するアドバイス、なかなか悩ましい問題である。

ゴールデンタイム

2017年11月3日

日本は、戦後の高度成長期からバブル崩壊そして失われた25年という不名誉なレッテルを張られつつ、超少子高齢化社会、成熟期を迎えている。しかし、当社のビジネスにとっては大きな追い風が吹いていると認識している。

顕在化している長生きのリスクに対して、ファイナンシャルアドバイザー中浜伸二としてはお客様の経済的な不安を取り除くため、長期投資を普及させて役割を果たしたいと考えている。

先月、11年間お世話になっている大手広告代理店で2日間にわたって資産運用セミナーの講師を務めさせていただいたが、両日とも当初予定定員に対して2倍近い申し込みがあった。セミナーにおいて『資産運用などに興味のある方は個人的に相談してください。』と呼びかけたところ、セミナー終了後に約30名の方からコンサルティング依頼をいただいた。

そんなことで先月末から、多くの皆さまにお会いしてコンサルティングを実施している。超人気FPみたいではないか。ちなみにセミナー後に新規でお会いして、資産運用に関して打ち合わせをした方は以下のような感じ。来週以降もずっと予定が詰まっていて、お客様にコンサルティングを待っていただいている状態である。ゴルフと飲み会も今は最小限にして、仕事に没頭している。ブログの更新が少ないことをある方に指摘されたが、頑張って仕事をしているので許してほしい。

10月23日 3名
10月24日 5名
10月25日 3名
10月26日 休み
10月27日 3名
10月30日 4名
10月31日 4名
11月1日  3名  
11月2日  3名
    計28名

さて新規でお会いした方、お一人一人と対話させていただくのだが、ほぼ100%と言っていいが資産運用の基本や本質が分かっていない。皆さん、いわゆる学歴が高い人達であるが、どうやら資産運用において学歴は全く関係ないようだ。正直、うちの息子のほうが全然わかっている。多くの人は間違ったやり方をやっているため、全然お金が増えていない。本などを読んで自己流で勉強して少しわかっているつもりの人もいるが、何も知らないよりも中途半端な知識でやってる人が一番危ない。

自分が分かっていないことを分かっている人はいいのだが、分かっていないことを分かっていない人も多くて大変なのだ。だからこそ対話が必要である。まずは分かっていないことを分かってもらうことが第一歩。そう考えると、当社のお客様とりわけ3年以上お付き合いのあるお客様がいかに金融リテラシーが高いか?ということをあらためて実感する。日本最強の投資家は、当社のお客様であることを確信した。

最近、お客さまになったど素人の高校の同級生らを除くと、当社のお客様の多くは間違いなく日本有数の個人投資家といえる。

お客様がどんどん増え、お客様の資産もどんどん増え、当社の利益も私の給料も毎年どんどん増えている。アドバイザーとしてお客様の資産成長に貢献すればするほど、自分の収入が増える。こんなにいい仕事はなかなかないと思っている。バリューマネジメントは11年目に入り、まさに高度成長期の真っただ中。

これから10年は当社にとってゴールデンタイムなのかもしれないが、一方でマーケットはいつの時代もそうであるが厳しい局面もまだまだあるだろう。今一度、気を引き締めて、お客様としっかりと向き合っていきたい。

喜びの声

2017年10月16日

某大手家電メーカーに勤務する30代後半のお客さまに久しぶりにお会いした。約10年前に紹介でお会いしてお客様になったのであるが、確定拠出年金の資産配分についても当時アドバイスを求められたので、
『〇〇さんは、若くてリスク許容度も高いので、MSCIコクサイに連動する外国株式インデックスファンド一本でいいんじゃないですか。』と答えた。

彼は私のアドバイスを忠実に実行したようで、現在までの積立運用資産、約500万円は、約2倍の1000万円に増えていた。〇〇さんから運用データを笑顔で見せられ『中浜さんのアドバイスのおかげです。』と感謝された。

我々の仕事は、お客様の運用資産が2倍になったら感謝されるということかもしれない。それにしても一括運用ではなく積立(一部、一括運用あり)で2倍になっているのは凄いと思う。とにかくこの10年で〇〇さんは、個人の運用と確定拠出年金の両方の運用で成功体験を持ったのである。これはとても大きい。

彼の同期で短期的には安全な預金や債券だけで運用しているまじめな人達と10年で500万円の差ができたというわけだ。全く同じ制度を活用しているにも関わらず。

彼はこれから20年以上運用できるので、毎月の追加投資資産を含めると確定拠出年金だけで5000万円以上の資産を作ることが出来るだろう。退職所得で税金もあまりかからないため、確定拠出年金は大きな武器である。日本よりかなり進んでいる金融先進国アメリカでは確定拠出年金(401K)がアメリカ人を豊かにさせたといっても過言ではない。日本においては確定拠出年金の運用の巧拙で数千万円の違いが出るという事実に多くの人が気づいていないのは実に残念なことである。ちなみに当社も今年から確定拠出年金制度を採用しており、毎月の給与から月額55000円を控除して運用しているが、私自身も外国株式アクティブファンド1本だけで運用している。元々メニューにいいファンドがなかったのだが、いいアクティブファンドを運営会社にお願いしてラインナップに入れてもらった。毎月運用して長期で放置するだけである。

たまに大手企業で確定拠出年金の運用についてセミナーをすることがあるが、殆どの人が間違ったやり方をやっていて、(もしくはなにもやっていない)自分の大切な年金資産をどう増やしていくかという戦略を持っている人は実に少ない。当社のお客様のように自分自身のリスク許容度に応じた運用戦略に沿って資産運用を実行している人は、おそらく数%に過ぎない。1800兆円の個人金融資産がほとんど働いていないのが現状である。

上記の〇〇さんの運用成績は、何万人もいる会社でおそらくトップだろう。確定拠出年金のラインナップは各社限られているが、なかなかいいアクティブファンドはメニューにないため、この10年で見ると外国株式インデックスファンド1本で運用した人のリターンが、一番高いのだ。おそらく、これから10年もそうだろう。

ちなみにMSCIコクサイ自体が、日本を除く先進国の優良企業1400社に分散されているわけで、今後も世界経済が成長するため、長期的には値上がりするのは当たり前なのだ。確定拠出年金は小額で毎月積み立てるため、時間分散もされている。投資信託1本で運用先も通貨も時間も十分に分散されているので、メニューから何本も投資信託を選ぶ必要はないのだ。特に債券比率の高いバランス型ファンドなどは避けた方がいい。儲からないので。ただし、株式は短期的には大きく値下がりすることもあるため、精神的に許容できない人や退職が近い方は、債券などに分散することも合理的な判断である。

運用知識と経験がある人は、長期で運用できる資金は、株式だけでいい。特に世界的な低金利で債券価格が高い今の現状においては。

当社のお客様も長い方は運用年数が10年を超えてきた。複利効果は10年を超えたころから加速する。当社のお客様にも長期投資で成功体験を持つ方々が増え始めてきた。

米国個人投資家の声

2017年10月4日

アメリカの個人投資家は、長期投資に関して成功体験を持っている。

キャピタルグループのホームページで米国個人投資家の声が視聴できるので、ぜひ見てほしい。

キャピタルグループの皆さまには日頃からお世話になっているが、彼らは『米国の個人投資家を豊かにしてきた』という自負を持っている。

世界一の運用会社だと思う。

就活する若者へ

2017年10月3日

大学3年生の娘がそろそろ就職を意識し、会社四季報を片手にインターンなどの活動を始めている。就活という点では、私よりもまじめなようだ。さて、もし自分が今、娘と同じ立場であれば就職についてきっと悩むに違いない。だから正直なところアドバイスも難しい。今の自分自身にも入りたいと思える会社がなかなか見当たらないからだ。

専門技術を持っている学生は、その専門性をいかせる会社をしっかり選ぶべきであるが、殆どの学生は、やりたいことがまだはっきりしないというのが正直なところだろう。うちの娘も典型的に今どきの学生である。

そんな学生にとって就活は、かわいそうだと思うし、親としてもこの日本的な横並びの仕組みは、早くなくなればいいと思う。就活の苦労が社会勉強になるという考えもあると思うが、個人的には、そんな社会勉強が世の中のためになるとも思えない。

ライフシフト的、人生100年時代において、大学を卒業してどこに就職するか?という問題ではなく、自分が一生をかけてやりたいことを見つけることのほうがより重要であると思う。自分がやりたいことを見つけて、努力している人が一番幸せなのではないか。

アメリカでは、一番優秀な学生は起業し、起業できるほどは優秀でない学生が大企業に就職するという。日本でも若くして起業する人は徐々に増えているものの、アメリカや中国などに比べるとリスクをとる若者がまだまだ少ないように思う。これからは日本においても本当に優秀で能力のある学生は、起業して世の中の課題を解決していくと思う。もちろん起業にリスクはつきものであるが、若いからこそ大きなリスクをとれるのであり、リスクが大きければリターンも大きくなるのは当然である。

とは言え、そんなに優秀な学生はほんの一握りで殆どの学生は、とりあえず就活してどこかの会社に入ればいいと思う。やりたいことがなくても会社に入っていろいろ学んでいるうちに自分が好きなこと、やりたいことが見つかるかもしれない。会社が自分に合わなければ転職すればいい。そんな時代になったと思う。

誰もがいい会社に就職したいと思うかもしれないが、いい会社に入ったとしても10年後もいい会社である保証はない。会社に依存しない自立した個人になることが大切である。

私自身も独立して彼是10年以上が経過した。もちろんこれまで事業が軌道に乗るまで、いろいろ大変なこともあったが結果的に独立してリスクをとって良かったと心から思っている。起業の一番のメリットは、リスクが大きい分、リターンが大きいことだろう。ビジネスオーナーであるため、会社が存続する限り、一生涯収入が途切れることはないし、会社が好調であれば収入もどんどん増えていく。大企業の社長の年収を超えることも可能である。定年退職も転勤もないため、大好きなファイナンシャルアドバイザーという仕事を健康である限り、続けることができるのだ。

ファイナンシャルアドバイザーとして成功したいガッツのある若者は、安定した大企業だけではなく当社のようなベンチャー企業にも興味を持ってほしい(笑)

マンガ―の投資術

2017年9月25日

バークシャー・ハザウェイ副会長であるチャーリー・マンガーは、バフェットの盟友であり、世界最高の投資家の一人である。
1924年1月1日生まれの93歳でバフェットよりも7歳年上である。

ベンジャミン・グレアムを師として仰いでいたバフェットはマンガーと出会い、バリュー投資を進化させていった。バフェットの大成功は、マンガーなしではあり得なかったであろう。

『マンガーの投資術』は、バフェット研究の第一人者デビット・クラークによってまとめられており、マンガーの珠玉の言葉がちりばめられている良書である。マンガーもバフェットもお金だけではなくその知識を複利で殖やし続けている。

資産運用に興味のある人には是非、読んでいただきたい一冊である。

静かなマーケット

2017年9月19日

ある程度予想していたことであるが、アメリカの金利は、なかなか上がらない。

アメリカの8月の失業率は4.4%と歴史的に低い水準であるがインフレ率は、FRBが目標としている2%に及ばず1.5%近辺で推移している。FRBイエレン議長は、年内に利上げするかどうか慎重に検討しているが、現状ではバランスシートの縮小は段階的に進めるものの政策金利であるFF金利は現状の1-1.25%に据え置く可能性が高くなってきたように思う。少なくとも今回のFOMCでは。

そこで気になるのはITバブル後に大胆な金融緩和をして景気を回復させたものの、結果的に利上げのタイミングが遅れて不動産バブルを引き起こした張本人とされた当時のグリーンスパン議長である。当時、マエストロと神様のように崇められていたが、一転して戦犯扱いされたのだ。そんな歴史もあり、今回の利上げのタイミング、政策判断ミスは許されないというプレッシャーはかなり大きいだろう。

イエレン議長は、難しい局面でバーナンキ前議長からバトンタッチして以来、かなり厳しい局面をいくつも乗り越えてきた。年内に利上げして金融政策の正常化の道筋を確かなものにしたいけれど、なかなか金利が2%に上がらないため、じっと耐えているという感じ。

目標の2%に達しないインフレ率に関しては、学者や金融関係者などの間でもさまざまな議論があるものの、低インフレはアメリカのみならず先進国共通のトレンドであり、アメリカも例外ではないため、あまり2%目標という数字に固執する必要はないというのが私個人の考えである。日銀などは2%について全く議論もされなくなったが、それはそれでいいのではないか。物価ではなくあくまでも経済優先である。

アメリカは多民族国家であり、白人の少子高齢化による人口減をヒスパニックやアジア、アフリカ系など移民の人口増で補い、トータルでは人口が増えている数少ない先進国である。その意味でアメリカ合衆国の中に先進国と新興国が混在しているような国であるため、潜在的な経済成長率が日本やドイツなどよりも高いため、日独に比べると金利もやや高いと考えるのが自然である。

インフレ率2%という数字をイエレン議長がどう判断するのか?に今後注目があつまるのであるが、アメリカ市場は、ダウとS&P500は直近で過去最高を更新しており、過去のバリエーションから見ると決して割安といえる水準ではない。短期的には多少の調整はあるかもしれない。

2008年9月15日のリーマン破たんの悪夢を経験した人たちは、今のアメリカの株価はバブルではないかと煽っているが、多くの人がバブルと指摘するほどのバリエーションでもないし、リーマンショックのように金融市場が崩壊するような危機はどこにも見当たらない。
世界の中央銀行および金融当局は、二度とあのような惨事を繰り返してはいけないということで金融機関を監視しており、冷静に見て現状は金融市場が崩壊するような状況ではないのだ。

これまでもそうであったように広義のマーケットは上がったり下がったりしながらも、長期的には上昇していく。倒産した会社はマーケットから退場し、元気な会社がマーケットに入ってくるからだ。

2000年から2001年に起きたITバブルのような局地的なバブル崩壊の可能性はあるが、世界経済を数年以上の長期にわたって混乱させマーケットを長期に低迷させるような危機はそうそう起こるものではない。

世界を大混乱させたのは1929年から始まった世界大恐慌と2008年の金融危機の2回だけで、それ以外の危機は、短期(ITバブル、ブラックマンデー、オイルショックなど)もしくは局地的な危機(日本のバブル崩壊やアジア通貨危機など)である。

リーマンショックは、投資家のみならず実体経済をも悪化させた点で確かに悪夢のような出来事であった。そんな最悪の事態でも優良企業の株価は回復し、その後も投資家に果実をもたらしている。

多くの人にお会いする中で、マーケットの原則を知らない人に限って、株が大きく下がった時に買いたいという。残念ながら、そのようなことはほぼ不可能である。リスクをとらないで何年も待っているうちにじわりじわり上昇していく物価に負けて資産が目減りするだけである。

比較的安定した静かなマーケットは、経験の浅い投資家にはかなり不気味に感じるかもしれないが、日々の株価に一喜一憂しないで長期にじっとマーケットの中に居続けることこそが、最良の投資である。

息子の海外留学

2017年8月28日

今日は、仕事の話ではなくプライベートな話。

今週、金曜日に高校2年生の息子が約1年間のカナダ留学に出発する。留学することが正式に決まったのは、昨年12月でその後のビザの取得など留学に関する手続きは、ほとんど妻任せで私は何もやっていないのだが、準備はなかなか大変だったように思う。留学する本人は、もちろん準備が必要であるが、特に高校生の留学は、家族によるサポートが不可欠である。そのことは、とても勉強になった。

今年、カナダは建国150周年という節目の年であるが、息子は、バンクーバーから飛行機で約1時間のブリティッシュコロンビア州のカムループスという街にホームステイしながら地元の公立高校に通うことになる。人口10万に満たない美しい街である。

ホストは、カナダの郵便局に勤務する42歳独身男性で、息子の他にもう一人、中国人留学生もステイしており、カナダ人のおじさんと中国人留学生と3人の共同生活が始まる。ホストの自宅からバスで15分ほどの場所に学校があり、来週からカナダ人と机を並べて授業を受けるはずである。実に楽しそうではないか。

さて近年、日本人留学生が減っているということを耳にする。原因はいろいろあると思うが、理由の一つに留学してもあまりメリットがないと考えている人が多いと聞く。私自身は、留学自体にメリットがあるとかないとかの話は正直どうでもいいのだが、息子には出来れば大学からではなく高校のうちに留学を経験させたいと思った。明確な理由があるわけではないが、何となく面白そうだから。

もちろん親が留学してほしいと思っても本人が行きたいと思わなければ意味がない。親の強制は子どもの反発になるだけで、自発的に子どもが行きたいという気持ちが醸成されるということが大事である。

我が家の場合は、結果的に息子が留学したいとなったのだが、息子なりに高校で仲間とサッカーをやっていたため、少し悩んでいたことも事実である。最終的に留学するという決断に至った理由の一つは、15年前から海外留学生の受け入れボランティアをしていたことがあると思う。海外から日本にやってくる10代、20代の若者と小さいころから接する機会があったため、自分も将来、海外で暮らしてみたいと考えたのではないか。

また小学5年生の夏に韓国に2週間、中学1年生の夏にアメリカに1カ月、一人でホームステイした経験も本人の自信になっていると思う。
最近も息子は、全く不安はない様子で普段通りで落ち着いている。心配してくれる周りの大人たちよりも落ち着いているように見えるほどだ。もちろん海外に長期で住むのだから、さまざまな壁にぶつかることは間違いない。楽しいことばかりではないだろう。しかし、苦労すればするほど人間は、成長するものだ。すべての体験を丸ごと受け止めて、カナダでの暮らしをエンジョイしてほしい。

父親として息子を海外留学させるということはもちろん初めてであるが、不安は殆どゼロでワクワクする気持ちが圧倒的に大きい。それは息子も同様だと思う。

それともう一つ、私自身、予期せぬ感情が湧いてきたのは新しい発見であった。

カナダで奮闘する息子に負けないように、自分自身もこれまで以上に頑張ろうという気持ちが湧いてきたのだ。

このような感情は、人生で初めてだった。

株価=利益×人気

2017年8月18日

いうまでもないが株価は、日々変動する。

なぜ株価は、変動するのか?ごく当たり前のことのようであるが、この問いに具体的に答えられる人は少ない。

株価が動く要因を2つの株価指標を使って、説明したい。株式投資をするのであれば知っておきたい株価指標である。

その1.EPS(一株当たり利益)

EPS=当期純利益/発行済み株式数

当たり前であるが、発行株式数に変動がなければ当期純利益が増えれば一株当たり利益は高くなる。

その2.PER(株価収益率)

PER=株価/EPS(一株当たり利益)

PERは、人気の尺度であり、一般的にPERが高い企業のほうが低い企業よりも人気(期待)が高いということである。

中学生でもわかるが、その2の公式は、以下のように分解できる。

株価= EPS(利益) × PER(人気)

今、世界で一番注目されているアマゾンを例にとってみる。

2016年12月(実績) EPS=5ドル、PER=192倍 株価は、現在960ドル近辺で推移している。

日本株と比較してやや割高と言われている米国株インデックス S&P500の予想PERは、18~19倍、ナスダックが21倍である。
アマゾンのPER192倍という倍率で、アマゾンの人気がいかに突出しているかわかるだろう。

ちなみに日本で一番大きな会社はトヨタ自動車であるが、EPS=588円 PER=10.42倍 株価は、現在6000円近辺で推移している。最近、トヨタのみならず自動車メーカーのPERはかなり低下している。これまで花形産業であったが、トヨタのPERから見ても自動車メーカーへの期待は大きくないことが分かるのだ。世界的にガソリン車から環境にやさしい電気自動車への大転換が迫られており、自動車各社メーカーの将来利益に対して不安視されているのかもしれない。10年後、日本で一番大きな会社はトヨタではないかもしれない。

株価は、利益と人気の掛け算で決まるということを知っておいてほしい。

両親のお金

2017年8月15日

先日、帰省した際に両親とお金について話をした。

昨年、『下流老人』という本が話題になったが、両親がお金に困っていないか?息子としては心配なので、今回、全ての資産を明らかにしてもらった。仕事柄、高齢者の不安や相続の現場などが大変であることは分かっている。親の資産を把握しておくことで適切なアドバイスもできるのである。

一般的には親とお金の話をするのは難しいと聞くが、プロとして教えてほしいとお願いすると、必要なものを全て見せてくれた。基本的にうちの両親は、まじめで無駄使いもしなかった。結果的に若い時から将来のことを考えていたため、私の想像以上に金融資産をもっており、その点は安心した。

しかし、金融資産の大部分が定期預金に置かれて全く働いていないため、定期預金のうち必要な資金は普通預金口座に移し、残りのお金は運用した方がいいという結論になった。世の中の常識とは違うかもしれないが、長生きする可能性がある以上、定期預金よりも一部リスクをとるほうが安全と考えている。

昨日、父と地元の銀行に行き、先日解約しておいた定期預金から一部を普通預金に残し、残り全額を証券口座に入金した。高齢の父が大きな金額を証券口座に移すということで、おそらく地方銀行ではあまり例がないためか、いろいろ理由を聞かれたが、父は息子のところで運用するからとはっきりと答えた。

うちの両親が何歳まで生きるかわからないが、父の資産をポートフォリオ運用しながら、手元資金が少なくなって来たら必要に応じて取り崩していく。運用しながら取り崩せばなかなかお金は減らないからだ。高齢者の運用で大切なのはどんどん殖やすということではなく取り崩してもなかなか減らないということが重要である。子ども達は経済的に自立しているため、お金を残す必要は全くない。親には元気なうちに旅行など自分たちのためにお金を使ってほしい。

相続になれば母の証券口座に移管して運用を継続するので基本的に運用期間は、両親のどちらかが生きている限りということである。

うちの両親に限らず誰もが年金だけで老後を乗り切ることは難しい。今回、両親のお金を通じて資産運用の重要性についてあらためて考える機会になったし、両親が顧客になったことで、さらに身が引き締まった思いである。

お客様が経済的に困らないようにしっかりサポートしていくことがファイナンシャルアドバイザーの仕事である。