資産とスピードの相関

2017年7月4日

お客様の資産運用を10年間サポートしており、非常に勉強になったことがある。これは現場を経験したアドバイザーにしか分からない真実である。

それは資産運用において成功している人ほど意思決定とアクションのスピードが早いという事実である。逆に上手くいかない人ほど意思決定が遅く、行動も遅い。アノマリーでもないし、感覚でもない。神様が見ているのではと疑うほど、スピードがある人ほど資産を作っている。この相関は成り立っていると確信している。

昨日もあるお客様に追加投資提案をしたのだが、大きな金額であるがすぐに意思決定されて追加投資を速やかに実行された。このスピード感を持っている人は少ない。当社にかなり大きな金額を預けていただいているお客様であるが、頭の回転が速くリスクやリターンなど本質的なことを理解したら、すぐに行動する。だからこそ、チャンスを逃さず成功してきたのだ。

逆に運用金額が小さい人や資産運用の本質が分かっていない人ほど、意思決定もアクションも遅くスピード感がない。タイムイズマネーを理解していないから、時間を味方にすることが出来ず、お金が増えない。また、考えても仕方ないことをだらだら考えて時間を浪費する、もしくは優柔不断で意思決定ができないという人も多い。純粋に仕事が忙しくてアクションが遅いという人もいて、これはこれで仕方ないことではあるが、真の成功者は、どんなに忙しくても時間を作ってすぐに行動するという点で一般の人とは一線を画しているのである。当社のお客さまにも一流の方がたくさんいるが、スピードがあるお客様BEST10を選んだとしたら8人が億単位のお金を運用しており、2人は5000万円超の運用をしている40代前半の女性である。それぞれの分野で成功している尊敬する皆さまである。

意思決定やアクションのスピードは、ビジネスで成功するために、あるいは資産運用で成功するために大切な要素である。いつまでも延々と会議をやって意思決定のできないどこかのダメな取締役会と違って、ジェフ・ベゾスや孫さん、柳井さんの経営スピードは明らかに違う。経営と同様に投資においてもある種のスピード感は大切なのである。

さて将棋の藤井君を筆頭に日本には各分野に将来有望な若者がたくさんいる。

当社のお客さまにも将来有望な女性がいる。大手広告代理店に勤務し、20代後半までに貯めた1000万円超のうち700万円を運用し、毎年150万円の積立投資をたんたんと実行している。私が彼女にお会いして2年が経過しているが勉強熱心で仕事もできる方なのでこれから給料も上がり、おそらく彼女の資産は10年後に5000万円程度になると予想している。間違いなく将来の成功者である。
もう一人は、同じく20代後半の大手商社勤務の男性。28歳で預金と持ち株で2500万円近く貯めて現在、当社で1700万円運用しつつ、毎年300万円追加投資を実行していく方針。これまで多くの若者にあってきたが彼ほどストイックかつ柔軟性をもった人は初めてである。10年後二人がどうなっているのか非常に楽しみであるが、二人とも年収が高いだけではなく長期投資の威力と本質を理解し、長期で持続できる運用の仕組みを作り、まさに預金のごとくポートフォリオ運用をたんたんと実践しているということである。おそらく二人とも証券口座にログインする暇もなく仕事に没頭しているはずである。

相続や宝くじは別として自分で資産をつくる人は、20代、30代の行動をみれば大体わかる。仕事中に証券口座の残高をチラチラと見て、株式を売買している人が成功するはずはない。一生懸命仕事に没頭したら意外とお金がたまっていたという人が、正しい運用をすればお金は時間をかけて増えていく。成功者は、自分がやるべきことに集中して資産運用は、仕組みを作って感情に流されずたんたんと実行しているのである。

資産運用が下手な人の特徴

2017年6月23日

当社のお客様の8割以上は東京在住の方々であるが、最近、地元愛媛の同級生らからも資産運用の相談をいただくようになった。長らく続く低金利で、さすがにお金をどこに置くべきか、みんな悩んでいるのだ。

数年前までは東京や横浜のお客様の対応を優先して手が回らなかったが、今後は友人らの相談にもしっかりと対応して貢献していきたい。その延長線上でバリューマネジメントの松山支店をオープンできればと考えている。

さて先週、高校の同級生の女性が東京に来たついでに運用相談に来た。話し始めて5分で全くのど素人と分かったため、難しい話はやめにして『とりえず俺の言う通りにした方がいい。』こととそうした方がいい理由を伝え、証券口座開設手続きをした。

彼女は、運用に関してはど素人であるが、今更、自分の専門外の運用の勉強をしたところで大したものにならないこと、自分で勉強するよりも私に任せたほうが上手くいくことを理解していた。ごく当たり前のことではあるが、これを理解していない人もたくさんいるのだ。これまでの経験上、彼女のようなタイプは、運用で成功する可能性が高い。逆に中途半端な知識で自分は他の人よりも上手くできると考えている人ほど運用は上手くいかない。運よくうまくいったとしても必ずどこかでやられてしまう。素人が勝てるほど甘い世界ではない。マーケットは機関投資家を中心としたプロの世界なのだ。素人がマーケットを打ち負かすということは、テニスで錦織に勝つこと、ゴルフで松山に勝つほど難しいのだ。

世界最強ともいわれるイエール大学の運用チームは、資産配分など運用戦略は自分たちで決めるものの、銘柄選択においては自分たちよりも運用が上手な運用者に任せている。自分たちよりも上手い人がいることを知っているイエール大学の運用チームは、己を知っているという点で本当に賢いというわけだ。

当社のお客様の特徴であるが、基本的に自分であれこれ勉強して考えるよりも中浜に任せた方がいいと考えている人達である。自分よりも上手くできる人を使って、自分がやるべきことに集中しているからこそ成功しているのだ。これはビジネスにも言える。自分で何でもやっている人は、たいした成果は出ない。税務のことは税理士に、社会保険のことは社労士など専門家にお金を払って任せるべきなのだ。

ファイナンシャルアドバイザーを10年やって本当に多くの人に会ってきたが、運用が下手な人が発する共通の言葉がある。

少し意外かもしれないが『もっと資産運用の勉強をします』という言葉である。この勉強しますという言葉を発する人は、残念ながら高い確率で投資センスがない人である。

例えば体調を崩して医者から適切なアドバイスをもらっているにもかかわらず、医者のアドバイスに従わず『まず自分で勉強します』と言っている患者のようなものである。『勉強はしないで、任せる』と言った同級生は、なかなかいい筋をしていると言える。もちろん本質的なことを理解する必要はあるが、資産運用は、素人が片手間でできるものではない。趣味や好奇心で自分で勉強してやるのは自由であるが、ネットや本の情報をかじって読んで出来るのであれば、誰でも成功できるはずである。

まずは自分で勉強するのではなく私達のアドバイスを素直に聞いてスタートしてみることをお勧めしたい。それが大きな一歩であり、適切なリスクをとって正しい方法で運用することが一番の勉強である。資産の変動に一喜一憂しないで感情をコントロールし、長く継続することが何よりも重要である。

投資経験を積めば徐々にいろんなことが分かってくる。うちの息子は投資を始めて5年になるが、長期投資の威力を理解しているし、成功体験を持ちつつある。机上の勉強ではなくマーケットの変動を体感すること。中途半端な知識で自分で運用することは危険であり、長く続かない。当社のお客様は日本のトップレベルの投資家といえる。みんな仕事で忙しく、証券口座の残高をちらちら見るような人はほとんどいない。

それぞれの仕事で成果を出して、運用に関しては、我々に任せている。お客様とアドバイザーの理想的な関係である。

日銀のバランスシート

2017年6月2日

日本経済新聞によると黒田日銀の異次元緩和で日銀のバランスシート(総資産)は500兆円を超えたそうだ。日本のGDPに匹敵する天文学的な数字である。この数字をどう解釈するべきなのか、非常に難しい問題である。

一方、アメリカは、今月のFOMCでFF金利を1-1.25%に利上げし、FRBのバランスシートも徐々に縮小していく可能性が高くなってきた。アメリカは、時間をかけながらも金融政策を正常に戻しつつある。

日米中央銀行の金融政策、バランシートから考えれば中長期では円安傾向である。さて円安のほうが日本経済にはいいという人がいるが、それはあまりにも短絡的である。

円安=自国の通貨が弱くなるというのは、日本人の給料が国際的に安くなるということである。給料だけではなく、年金も退職金も安くなるということ。1700兆円の個人金融資産の円建て部分の価値が下がるということである。

最近、実感するが、日本人の給料は、海外先進国や新興国と比べても安すぎる。特に大企業の管理職の給料に関しては、タイやマレーシアよりも低い感じがする。私が新入社員であった1993年と今の新入社員の初任給は数万円ほどしか変わっていないのだ。20年以上ほとんど給料が上がっていないのである。円安は怖い。ただでさえ安い名目賃金に円安による輸入インフレが追い打ちをかけ実質賃金が下がり、国民生活を苦しめる可能性が高いのだ。政府も日銀もインフレにして長期金利を抑えたいという意図はみえみえなのだが、国民はそんなことには気づかないという構図。問題は、これまでのように長期金利をコントロールすることは困難になっているということである。
金融政策の限界である。

個人だけではなく海外企業のM&Aや投資においても、弱くなった円は、マイナスである。グローバル企業の現地生産が進み、スロートレードと呼ばれるように貿易量そのものが減っている今、昔のように円安が日本経済を豊かにするような単純な効果はないのだ。

もちろん行き過ぎた円高もダメであるが行き過ぎた円安もまずい。為替は、ある一定水準で安定することが望ましいのだ。

日銀のバランスシートを見て個人が気を付ける点として、将来の金利上昇に対応するということ。変動金利で長期で借金することは極めてリスクが大きい。金利はこれ以上下がらないし、上がるしかないのだから。特に住宅ローン等の長期借り入れは、多少金利が高くなっても長期固定で借りるべきである。

資産運用においては、キャピタル(為替や短期の値動き)を読むのではなく、インカム(利息や配当)を長期で積み上げていくことである。

経済は機械のように動く

2017年5月31日

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオをご存知の日本人は少ないかもしれないが、アメリカでは誰もが知っている著名投資家である。

『カリスマ投資家の教え』 川上穣 著によるとダリオが12歳のときに近所のゴルフ場で始めたキャディーのアルバイトが、後に投資家として人生を歩むきっかけをつくった。当時ゴルフ場に来る客の多くは、ウォール街で働く羽振りのいいトレーダーたちで何気なく会話を聞くうちにダリオにも株式投資の関心が自然と芽生えるようになったとのこと。

あのバフェットもゴルフのキャディのアルバイトをしていたことは有名であるが、ゴルフと投資にはなにか因果関係があるのかもしれない。

さてレイ・ダリオの30分の動画が実に素晴らしいので、見てほしい。何が素晴らしいかというと、彼は世界トップレベルの投資家でありながら、誰よりも経済を深く洞察しているのだ。マーケットと経済はつながっていて、経済の理解なくしてマーケットを理解することは困難であることを誰よりも理解しているのだ。

衛星写真やドローンを飛ばしてスーパーマーケットの駐車場の車の台数から売り上げの傾向を分析してクオンツ運用する時代に、素人に毛が生えたような人が個別銘柄を短期売買するのは、ほとんど勝ち目のないゲームである。

10年近くファイナンシャルアドバイザーとして活動し、日々多くのお客様にお会いしているが、本当の意味で経済とマーケットの関わりについて理解していると感じた人は、数人であり、ざっくりいうと1000人に1人もいない計算である。自分は分かっているつもりのかたは、たくさんいるのだが、本当にみんな分かっていないというのが正直な感想である。それは堅苦しい経済の専門知識の話ではなく、資本主義や株式会社、金融市場、株式、外国為替、物価、金利などの本質を深く理解しているかどうかという話である。金融経済教育は、まさに私自身の今後の課題である。

さてレイ・ダリオの経済の洞察力は素晴らしい。トップレベルの投資家が以下のような動画をつくるアメリカは、やはり資産運用の先進国である。資産運用は怖いから、節約と預金だけでいいというのは、実に寂しい。

『経済は機械のように動く』は、実に興味深い。

英語ができる人は、レイ・ダリオ本人の肉声解説で聞いてほしい。

キャピタルの歴史

2017年5月29日

当社は、お客様のポートフォリオのコア資産としてキャピタルのファンドを提案している。

お客様にお奨めしているだけでなく、私個人も家族も会社もキャピタルのファンドをポートフォリオのコアとして購入している。

日本には公募の投資信託が約6000本あるが、正直、自分が購入したいと思えるファンド=お客様に提案するファンドは、20本程度である。

一般の方が書店で本を買って勉強してもいいファンドを選んで購入することはかなりハードルが高くまず不可能である。本当にいいファンドは書店やネットで見つけられるようなものではないのだ。

いいファンドは、過去の成績のみならず将来の成績が欠かせないため、定量分析に加えて定性分析が必要である。キャピタルのファンドは、過去の運用成績が抜群に素晴らしいということだけでなく、過去の成績を今後も再現できる独特の仕組み(キャピタルシステム)を持っている点でかなり信頼性が高いのだ。

私自身、今更、会社員になりたいと思わないがキャピタルであれば会社員として働きたいと思ってしまうくらい素晴らしい運用会社である。

VIDEO『キャピタルの歴史』 PCで視聴可能

経済を学ぶ

2017年5月18日

最近20代の若いお客様が増えてきた。これまではある程度、金融資産を持った40代、50代を対象としていたが、数年前から将来性のある若者限定で資産運用アドバイスをすることにした。ビジネス的には殆ど利益はないが、未来につながると考えている。若者は金融資産はないが人的資産を持っている。彼らが人的資産をうまく金融資産に置き換えていくサポートをしていくことが大切だと思う。

若い人には、これまで以上に金融や経済について分かりやすく伝えることが必要である。若いうちはみんな自分の仕事に精いっぱいで自分の仕事が経済とどう関わっているのか客観的に見れる人は少ない。有名大学の経済学部を卒業しても殆どの人は経済のことは分かっていない。みんな日本経済の一員であり、経済に少なからず影響を受けているわけで、ビジネスや資産運用で成果を挙げるためには経済を理解しておく必要があるのだ。

世の中にはROEも知らないで個別銘柄を買っている人、長期金利がどう決まるのか?を知らないで借金して不動産投資している人、金利と債券価格の関係も知らないで債券ファンドを買っている人がたくさんいる。このような人たちが多ければ多いほどまともな投資家は勝てるということではあるが。勘に頼った投資は、よほど運がないかぎり、確実に失敗する。自己流で一生懸命ゴルフをやっても大して上手くならないことと同じである。

さて忙しいビジネスパーソンがどのように経済や金融を学べばいいのだろう?なかなか難しい問題であるが、経済知識を高める一助として日経電子版の経済指標ダッシュボードをお薦めしたい。

日々のニュースを断片的に見るのではなく、体系的に見なければ経済は読み解けない。GDPや消費者物価指数、失業率など経済指標の読み方が分かると仕事にも資産運用にも役に立つ。社会人になって経済を知らないと一流の経営者やビジネスパーソンと話をすることは難しい。自分が勤務する会社でしか通用しない人になってはいけないと子ども達にも伝えているが、さすがにまだ分からないか。最近、若い人が新聞を読まなくなったようだが、だからこそ新聞を読む若者には大いにチャンスがある気がするのだが。

今朝、1-3月期の日本の実質GDPが2.2%成長と速報値が発表されたが、日本経済は今のところ底堅くこのままいくと年率1.4%程度成長するのではないか。ヤマト運輸のドライバーの例のように労働不足で供給制約がある中で需給ギャップは解消され、潜在成長率0.8%を超える成長は、かなり堅調といっていい。このような数字と多くの人の生活実感はかけ離れている可能性があり、日本も中長期的な持続的な経済成長という面ではやや疑問はあるものの、海外経済などが崩れない限り、短期的には堅調に推移するだろう。短期では晴れ、中長期では曇りといった感じである。

また数日前からトランプのロシアゲートでマーケットは動揺している。森友問題がかわいく見えるほど深刻な問題を抱えるアメリカであるが経済のファンダメンタルズは依然として良好である。特にアメリカの失業率は4.4%と完全雇用状態であり、企業収益面からみてもかなり良好である。経済指標ダッシュボードから一目瞭然である。マーケットはトランプ問題に一喜一憂するものの今後は、アメリカの利上げ時期が最大の焦点となるだろう。

欧州経済もギリシャを除けば意外にも回復基調であり、地政学リスクや政治リスク以外に今のところ世界経済に大きなリスク要因はない。しいてあげるならば中国の不動産バブルと中国企業の過剰債務問題は深刻である。今後、どこかのタイミングでバブルは、はじけると思うが、中国政府がこの問題にどのように対処するのか注視したい。習近平政権は、ごまかしごまかし中国経済を操縦しているものの、減速方向に推移することだけは間違いなさそうだ。ハードランディングになるのか?それともソフトランディングできるのか?という問題である。

中浜経済研究室ブログ 

2017年5月15日

バリューマネジメントの中浜伸二です。

ブログ『中浜経済研究室』をリニューアルしました。

当社のお客様が年々増えておりますが、長期投資を成功させるためには金融知識のみならず、正しい考え方に基づいて投資を長期で実行することが大切です。
当ブログでは金融と経済に関する情報提供を通じて、賢明な投資家を育てていくことを目的とします。またファイナンシャルアドバイザーという仕事と日々の活動についてもお伝えしてまいります。

ゆるく更新してまいりますのでよろしくお願いします。