静かなマーケット

2017年9月19日

ある程度予想していたことであるが、アメリカの金利は、なかなか上がらない。

アメリカの8月の失業率は4.4%と歴史的に低い水準であるがインフレ率は、FRBが目標としている2%に及ばず1.5%近辺で推移している。FRBイエレン議長は、年内に利上げするかどうか慎重に検討しているが、現状ではバランスシートの縮小は段階的に進めるものの政策金利であるFF金利は現状の1-1.25%に据え置く可能性が高くなってきたように思う。少なくとも今回のFOMCでは。

そこで気になるのはITバブル後に大胆な金融緩和をして景気を回復させたものの、結果的に利上げのタイミングが遅れて不動産バブルを引き起こした張本人とされた当時のグリーンスパン議長である。当時、マエストロと神様のように崇められていたが、一転して戦犯扱いされたのだ。そんな歴史もあり、今回の利上げのタイミング、政策判断ミスは許されないというプレッシャーはかなり大きいだろう。

イエレン議長は、難しい局面でバーナンキ前議長からバトンタッチして以来、かなり厳しい局面をいくつも乗り越えてきた。年内に利上げして金融政策の正常化の道筋を確かなものにしたいけれど、なかなか金利が2%に上がらないため、じっと耐えているという感じ。

目標の2%に達しないインフレ率に関しては、学者や金融関係者などの間でもさまざまな議論があるものの、低インフレはアメリカのみならず先進国共通のトレンドであり、アメリカも例外ではないため、あまり2%目標という数字に固執する必要はないというのが私個人の考えである。日銀などは2%について全く議論もされなくなったが、それはそれでいいのではないか。物価ではなくあくまでも経済優先である。

アメリカは多民族国家であり、白人の少子高齢化による人口減をヒスパニックやアジア、アフリカ系など移民の人口増で補い、トータルでは人口が増えている数少ない先進国である。その意味でアメリカ合衆国の中に先進国と新興国が混在しているような国であるため、潜在的な経済成長率が日本やドイツなどよりも高いため、日独に比べると金利もやや高いと考えるのが自然である。

インフレ率2%という数字をイエレン議長がどう判断するのか?に今後注目があつまるのであるが、アメリカ市場は、ダウとS&P500は直近で過去最高を更新しており、過去のバリエーションから見ると決して割安といえる水準ではない。短期的には多少の調整はあるかもしれない。

2008年9月15日のリーマン破たんの悪夢を経験した人たちは、今のアメリカの株価はバブルではないかと煽っているが、多くの人がバブルと指摘するほどのバリエーションでもないし、リーマンショックのように金融市場が崩壊するような危機はどこにも見当たらない。
世界の中央銀行および金融当局は、二度とあのような惨事を繰り返してはいけないということで金融機関を監視しており、冷静に見て現状は金融市場が崩壊するような状況ではないのだ。

これまでもそうであったように広義のマーケットは上がったり下がったりしながらも、長期的には上昇していく。倒産した会社はマーケットから退場し、元気な会社がマーケットに入ってくるからだ。

2000年から2001年に起きたITバブルのような局地的なバブル崩壊の可能性はあるが、世界経済を数年以上の長期にわたって混乱させマーケットを長期に低迷させるような危機はそうそう起こるものではない。

世界を大混乱させたのは1929年から始まった世界大恐慌と2008年の金融危機の2回だけで、それ以外の危機は、短期(ITバブル、ブラックマンデー、オイルショックなど)もしくは局地的な危機(日本のバブル崩壊やアジア通貨危機など)である。

リーマンショックは、投資家のみならず実体経済をも悪化させた点で確かに悪夢のような出来事であった。そんな最悪の事態でも優良企業の株価は回復し、その後も投資家に果実をもたらしている。

多くの人にお会いする中で、マーケットの原則を知らない人に限って、株が大きく下がった時に買いたいという。残念ながら、そのようなことはほぼ不可能である。リスクをとらないで何年も待っているうちにじわりじわり上昇していく物価に負けて資産が目減りするだけである。

比較的安定した静かなマーケットは、経験の浅い投資家にはかなり不気味に感じるかもしれないが、日々の株価に一喜一憂しないで長期にじっとマーケットの中に居続けることこそが、最良の投資である。

息子の海外留学

2017年8月28日

今日は、仕事の話ではなくプライベートな話。

今週、金曜日に高校2年生の息子が約1年間のカナダ留学に出発する。留学することが正式に決まったのは、昨年12月でその後のビザの取得など留学に関する手続きは、ほとんど妻任せで私は何もやっていないのだが、準備はなかなか大変だったように思う。留学する本人は、もちろん準備が必要であるが、特に高校生の留学は、家族によるサポートが不可欠である。そのことは、とても勉強になった。

今年、カナダは建国150周年という節目の年であるが、息子は、バンクーバーから飛行機で約1時間のブリティッシュコロンビア州のカムループスという街にホームステイしながら地元の公立高校に通うことになる。人口10万に満たない美しい街である。

ホストは、カナダの郵便局に勤務する42歳独身男性で、息子の他にもう一人、中国人留学生もステイしており、カナダ人のおじさんと中国人留学生と3人の共同生活が始まる。ホストの自宅からバスで15分ほどの場所に学校があり、来週からカナダ人と机を並べて授業を受けるはずである。実に楽しそうではないか。

さて近年、日本人留学生が減っているということを耳にする。原因はいろいろあると思うが、理由の一つに留学してもあまりメリットがないと考えている人が多いと聞く。私自身は、留学自体にメリットがあるとかないとかの話は正直どうでもいいのだが、息子には出来れば大学からではなく高校のうちに留学を経験させたいと思った。明確な理由があるわけではないが、何となく面白そうだから。

もちろん親が留学してほしいと思っても本人が行きたいと思わなければ意味がない。親の強制は子どもの反発になるだけで、自発的に子どもが行きたいという気持ちが醸成されるということが大事である。

我が家の場合は、結果的に息子が留学したいとなったのだが、息子なりに高校で仲間とサッカーをやっていたため、少し悩んでいたことも事実である。最終的に留学するという決断に至った理由の一つは、15年前から海外留学生の受け入れボランティアをしていたことがあると思う。海外から日本にやってくる10代、20代の若者と小さいころから接する機会があったため、自分も将来、海外で暮らしてみたいと考えたのではないか。

また小学5年生の夏に韓国に2週間、中学1年生の夏にアメリカに1カ月、一人でホームステイした経験も本人の自信になっていると思う。
最近も息子は、全く不安はない様子で普段通りで落ち着いている。心配してくれる周りの大人たちよりも落ち着いているように見えるほどだ。もちろん海外に長期で住むのだから、さまざまな壁にぶつかることは間違いない。楽しいことばかりではないだろう。しかし、苦労すればするほど人間は、成長するものだ。すべての体験を丸ごと受け止めて、カナダでの暮らしをエンジョイしてほしい。

父親として息子を海外留学させるということはもちろん初めてであるが、不安は殆どゼロでワクワクする気持ちが圧倒的に大きい。それは息子も同様だと思う。

それともう一つ、私自身、予期せぬ感情が湧いてきたのは新しい発見であった。

カナダで奮闘する息子に負けないように、自分自身もこれまで以上に頑張ろうという気持ちが湧いてきたのだ。

このような感情は、人生で初めてだった。

株価=利益×人気

2017年8月18日

いうまでもないが株価は、日々変動する。

なぜ株価は、変動するのか?ごく当たり前のことのようであるが、この問いに具体的に答えられる人は少ない。

株価が動く要因を2つの株価指標を使って、説明したい。株式投資をするのであれば知っておきたい株価指標である。

その1.EPS(一株当たり利益)

EPS=当期純利益/発行済み株式数

当たり前であるが、発行株式数に変動がなければ当期純利益が増えれば一株当たり利益は高くなる。

その2.PER(株価収益率)

PER=株価/EPS(一株当たり利益)

PERは、人気の尺度であり、一般的にPERが高い企業のほうが低い企業よりも人気(期待)が高いということである。

中学生でもわかるが、その2の公式は、以下のように分解できる。

株価= EPS(利益) × PER(人気)

今、世界で一番注目されているアマゾンを例にとってみる。

2016年12月(実績) EPS=5ドル、PER=192倍 株価は、現在960ドル近辺で推移している。

日本株と比較してやや割高と言われている米国株インデックス S&P500の予想PERは、18~19倍、ナスダックが21倍である。
アマゾンのPER192倍という倍率で、アマゾンの人気がいかに突出しているかわかるだろう。

ちなみに日本で一番大きな会社はトヨタ自動車であるが、EPS=588円 PER=10.42倍 株価は、現在6000円近辺で推移している。最近、トヨタのみならず自動車メーカーのPERはかなり低下している。これまで花形産業であったが、トヨタのPERから見ても自動車メーカーへの期待は大きくないことが分かるのだ。世界的にガソリン車から環境にやさしい電気自動車への大転換が迫られており、自動車各社メーカーの将来利益に対して不安視されているのかもしれない。10年後、日本で一番大きな会社はトヨタではないかもしれない。

株価は、利益と人気の掛け算で決まるということを知っておいてほしい。

両親のお金

2017年8月15日

先日、帰省した際に両親とお金について話をした。

昨年、『下流老人』という本が話題になったが、両親がお金に困っていないか?息子としては心配なので、今回、全ての資産を明らかにしてもらった。仕事柄、高齢者の不安や相続の現場などが大変であることは分かっている。親の資産を把握しておくことで適切なアドバイスもできるのである。

一般的には親とお金の話をするのは難しいと聞くが、プロとして教えてほしいとお願いすると、必要なものを全て見せてくれた。基本的にうちの両親は、まじめで無駄使いもしなかった。結果的に若い時から将来のことを考えていたため、私の想像以上に金融資産をもっており、その点は安心した。

しかし、金融資産の大部分が定期預金に置かれて全く働いていないため、定期預金のうち必要な資金は普通預金口座に移し、残りのお金は運用した方がいいという結論になった。世の中の常識とは違うかもしれないが、長生きする可能性がある以上、定期預金よりも一部リスクをとるほうが安全と考えている。

昨日、父と地元の銀行に行き、先日解約しておいた定期預金から一部を普通預金に残し、残り全額を証券口座に入金した。高齢の父が大きな金額を証券口座に移すということで、おそらく地方銀行ではあまり例がないためか、いろいろ理由を聞かれたが、父は息子のところで運用するからとはっきりと答えた。

うちの両親が何歳まで生きるかわからないが、父の資産をポートフォリオ運用しながら、手元資金が少なくなって来たら必要に応じて取り崩していく。運用しながら取り崩せばなかなかお金は減らないからだ。高齢者の運用で大切なのはどんどん殖やすということではなく取り崩してもなかなか減らないということが重要である。子ども達は経済的に自立しているため、お金を残す必要は全くない。親には元気なうちに旅行など自分たちのためにお金を使ってほしい。

相続になれば母の証券口座に移管して運用を継続するので基本的に運用期間は、両親のどちらかが生きている限りということである。

うちの両親に限らず誰もが年金だけで老後を乗り切ることは難しい。今回、両親のお金を通じて資産運用の重要性についてあらためて考える機会になったし、両親が顧客になったことで、さらに身が引き締まった思いである。

お客様が経済的に困らないようにしっかりサポートしていくことがファイナンシャルアドバイザーの仕事である。

投資センス

2017年8月9日

投資で成功するためにはある種のセンスが求められる。投資センスとは暗黙知のようなもので、なかなか言葉にするのは難しいが、この人はセンスがいいなという人は意外と少なく、大多数はあまりセンスがいいとは言えない。だからこそ、アドバイザーとしては、たまにセンスのいい人に出会うとうれしくなるのである。

最近、ビットコインなど仮想通貨に興味を持ち、投機目的で買っている人もいるが、そのような人は、例外なく投資センスはない。センス0ではなくマイナスである。わかっている人は仮想通貨など買わないし、そんなもので儲けても仕方ないことを理解している。

仮想通貨にむらがる人達は、基本的にリスクやマーケットの本質について理解していない。よって高い確率でどこかのタイミングで痛い目に合うことになる。もちろん宝くじが当たる人がいるようにビットコインで儲かる人もいるのだが、仮想通貨への投機は少なくとも現時点では邪道と言っていい。フィンテックブームに乗って次々と生まれる仮想通貨は、まさにオランダのチューリップバブルの際に次々と生まれた新種の球根と同じである。投機家は、チューリップの球根と同様に仮想通貨の本質的な価値をみることなく、なんとなく価格が上がりそうだから買っている。歴史は繰り返す。仮想通貨ブームは、投資センスのない人がたくさんいるため、しばらく続きそうであるが、遅かれ早かれ終息するだろう。

当社は、長期投資の王道を多くの人に実践してほしいと考えている。偽物ではなく本物の資産に投資するべきである。若いうちからしっかりとした考えのもとで長期投資を実践すれば、人生においてお金に困ることはないだろう。いつの時代も偽物は滅びるが本物は生き残るからである。不確実な未来に対して、時間をかけてしっかりと準備することが大切である。

仮想通貨だけではなくFXや株式においてもキャピタルゲインを狙って短期売買で一喜一憂する人は世の中にたくさんいる。高い確率でみんな失敗することになるのだが。投機であろうが投資であろうが基本的には自己責任であるため、すべてを否定するつもりはないが、そもそも資産運用はエンターテイメントではない。たまにお客様から『中浜さん、なんか面白い商品ないですか?』と聞かれることがあるが、投資にエンターテイメントを求めないでほしいと答えている。

投資は、預金と同様に実につまらないのだ。つまらないけど大切なことってありますよね。

昨日、投資経験のない若い男性がビットコインを遊びで買っていますと言っていたので、『かっこ悪いですね。大切なお金だから、ちゃんと運用したほうがいいですよ。』と言っておいた。

資産運用で成功するということはビジネスで成功することと同様に忍耐と時間を要する。安易に利益を追い求めるのではなく、時間をかけて資産を育てていくことが投資の王道である。

資産とスピードの相関

2017年7月4日

お客様の資産運用を10年間サポートしており、非常に勉強になったことがある。これは現場を経験したアドバイザーにしか分からない真実である。

それは資産運用において成功している人ほど意思決定とアクションのスピードが早いという事実である。逆に上手くいかない人ほど意思決定が遅く、行動も遅い。アノマリーでもないし、感覚でもない。神様が見ているのではと疑うほど、スピードがある人ほど資産を作っている。この相関は成り立っていると確信している。

昨日もあるお客様に追加投資提案をしたのだが、大きな金額であるがすぐに意思決定されて追加投資を速やかに実行された。このスピード感を持っている人は少ない。当社にかなり大きな金額を預けていただいているお客様であるが、頭の回転が速くリスクやリターンなど本質的なことを理解したら、すぐに行動する。だからこそ、チャンスを逃さず成功してきたのだ。

逆に運用金額が小さい人や資産運用の本質が分かっていない人ほど、意思決定もアクションも遅くスピード感がない。タイムイズマネーを理解していないから、時間を味方にすることが出来ず、お金が増えない。また、考えても仕方ないことをだらだら考えて時間を浪費する、もしくは優柔不断で意思決定ができないという人も多い。純粋に仕事が忙しくてアクションが遅いという人もいて、これはこれで仕方ないことではあるが、真の成功者は、どんなに忙しくても時間を作ってすぐに行動するという点で一般の人とは一線を画しているのである。当社のお客さまにも一流の方がたくさんいるが、スピードがあるお客様BEST10を選んだとしたら8人が億単位のお金を運用しており、2人は5000万円超の運用をしている40代前半の女性である。それぞれの分野で成功している尊敬する皆さまである。

意思決定やアクションのスピードは、ビジネスで成功するために、あるいは資産運用で成功するために大切な要素である。いつまでも延々と会議をやって意思決定のできないどこかのダメな取締役会と違って、ジェフ・ベゾスや孫さん、柳井さんの経営スピードは明らかに違う。経営と同様に投資においてもある種のスピード感は大切なのである。

さて将棋の藤井君を筆頭に日本には各分野に将来有望な若者がたくさんいる。

当社のお客さまにも将来有望な女性がいる。大手広告代理店に勤務し、20代後半までに貯めた1000万円超のうち700万円を運用し、毎年150万円の積立投資をたんたんと実行している。私が彼女にお会いして2年が経過しているが勉強熱心で仕事もできる方なのでこれから給料も上がり、おそらく彼女の資産は10年後に5000万円程度になると予想している。間違いなく将来の成功者である。
もう一人は、同じく20代後半の大手商社勤務の男性。28歳で預金と持ち株で2500万円近く貯めて現在、当社で1700万円運用しつつ、毎年300万円追加投資を実行していく方針。これまで多くの若者にあってきたが彼ほどストイックかつ柔軟性をもった人は初めてである。10年後二人がどうなっているのか非常に楽しみであるが、二人とも年収が高いだけではなく長期投資の威力と本質を理解し、長期で持続できる運用の仕組みを作り、まさに預金のごとくポートフォリオ運用をたんたんと実践しているということである。おそらく二人とも証券口座にログインする暇もなく仕事に没頭しているはずである。

相続や宝くじは別として自分で資産をつくる人は、20代、30代の行動をみれば大体わかる。仕事中に証券口座の残高をチラチラと見て、株式を売買している人が成功するはずはない。一生懸命仕事に没頭したら意外とお金がたまっていたという人が、正しい運用をすればお金は時間をかけて増えていく。成功者は、自分がやるべきことに集中して資産運用は、仕組みを作って感情に流されずたんたんと実行しているのである。

資産運用が下手な人の特徴

2017年6月23日

当社のお客様の8割以上は東京在住の方々であるが、最近、地元愛媛の同級生らからも資産運用の相談をいただくようになった。長らく続く低金利で、さすがにお金をどこに置くべきか、みんな悩んでいるのだ。

数年前までは東京や横浜のお客様の対応を優先して手が回らなかったが、今後は友人らの相談にもしっかりと対応して貢献していきたい。その延長線上でバリューマネジメントの松山支店をオープンできればと考えている。

さて先週、高校の同級生の女性が東京に来たついでに運用相談に来た。話し始めて5分で全くのど素人と分かったため、難しい話はやめにして『とりえず俺の言う通りにした方がいい。』こととそうした方がいい理由を伝え、証券口座開設手続きをした。

彼女は、運用に関してはど素人であるが、今更、自分の専門外の運用の勉強をしたところで大したものにならないこと、自分で勉強するよりも私に任せたほうが上手くいくことを理解していた。ごく当たり前のことではあるが、これを理解していない人もたくさんいるのだ。これまでの経験上、彼女のようなタイプは、運用で成功する可能性が高い。逆に中途半端な知識で自分は他の人よりも上手くできると考えている人ほど運用は上手くいかない。運よくうまくいったとしても必ずどこかでやられてしまう。素人が勝てるほど甘い世界ではない。マーケットは機関投資家を中心としたプロの世界なのだ。素人がマーケットを打ち負かすということは、テニスで錦織に勝つこと、ゴルフで松山に勝つほど難しいのだ。

世界最強ともいわれるイエール大学の運用チームは、資産配分など運用戦略は自分たちで決めるものの、銘柄選択においては自分たちよりも運用が上手な運用者に任せている。自分たちよりも上手い人がいることを知っているイエール大学の運用チームは、己を知っているという点で本当に賢いというわけだ。

当社のお客様の特徴であるが、基本的に自分であれこれ勉強して考えるよりも中浜に任せた方がいいと考えている人達である。自分よりも上手くできる人を使って、自分がやるべきことに集中しているからこそ成功しているのだ。これはビジネスにも言える。自分で何でもやっている人は、たいした成果は出ない。税務のことは税理士に、社会保険のことは社労士など専門家にお金を払って任せるべきなのだ。

ファイナンシャルアドバイザーを10年やって本当に多くの人に会ってきたが、運用が下手な人が発する共通の言葉がある。

少し意外かもしれないが『もっと資産運用の勉強をします』という言葉である。この勉強しますという言葉を発する人は、残念ながら高い確率で投資センスがない人である。

例えば体調を崩して医者から適切なアドバイスをもらっているにもかかわらず、医者のアドバイスに従わず『まず自分で勉強します』と言っている患者のようなものである。『勉強はしないで、任せる』と言った同級生は、なかなかいい筋をしていると言える。もちろん本質的なことを理解する必要はあるが、資産運用は、素人が片手間でできるものではない。趣味や好奇心で自分で勉強してやるのは自由であるが、ネットや本の情報をかじって読んで出来るのであれば、誰でも成功できるはずである。

まずは自分で勉強するのではなく私達のアドバイスを素直に聞いてスタートしてみることをお勧めしたい。それが大きな一歩であり、適切なリスクをとって正しい方法で運用することが一番の勉強である。資産の変動に一喜一憂しないで感情をコントロールし、長く継続することが何よりも重要である。

投資経験を積めば徐々にいろんなことが分かってくる。うちの息子は投資を始めて5年になるが、長期投資の威力を理解しているし、成功体験を持ちつつある。机上の勉強ではなくマーケットの変動を体感すること。中途半端な知識で自分で運用することは危険であり、長く続かない。当社のお客様は日本のトップレベルの投資家といえる。みんな仕事で忙しく、証券口座の残高をちらちら見るような人はほとんどいない。

それぞれの仕事で成果を出して、運用に関しては、我々に任せている。お客様とアドバイザーの理想的な関係である。

日銀のバランスシート

2017年6月2日

日本経済新聞によると黒田日銀の異次元緩和で日銀のバランスシート(総資産)は500兆円を超えたそうだ。日本のGDPに匹敵する天文学的な数字である。この数字をどう解釈するべきなのか、非常に難しい問題である。

一方、アメリカは、今月のFOMCでFF金利を1-1.25%に利上げし、FRBのバランスシートも徐々に縮小していく可能性が高くなってきた。アメリカは、時間をかけながらも金融政策を正常に戻しつつある。

日米中央銀行の金融政策、バランシートから考えれば中長期では円安傾向である。さて円安のほうが日本経済にはいいという人がいるが、それはあまりにも短絡的である。

円安=自国の通貨が弱くなるというのは、日本人の給料が国際的に安くなるということである。給料だけではなく、年金も退職金も安くなるということ。1700兆円の個人金融資産の円建て部分の価値が下がるということである。

最近、実感するが、日本人の給料は、海外先進国や新興国と比べても安すぎる。特に大企業の管理職の給料に関しては、タイやマレーシアよりも低い感じがする。私が新入社員であった1993年と今の新入社員の初任給は数万円ほどしか変わっていないのだ。20年以上ほとんど給料が上がっていないのである。円安は怖い。ただでさえ安い名目賃金に円安による輸入インフレが追い打ちをかけ実質賃金が下がり、国民生活を苦しめる可能性が高いのだ。政府も日銀もインフレにして長期金利を抑えたいという意図はみえみえなのだが、国民はそんなことには気づかないという構図。問題は、これまでのように長期金利をコントロールすることは困難になっているということである。
金融政策の限界である。

個人だけではなく海外企業のM&Aや投資においても、弱くなった円は、マイナスである。グローバル企業の現地生産が進み、スロートレードと呼ばれるように貿易量そのものが減っている今、昔のように円安が日本経済を豊かにするような単純な効果はないのだ。

もちろん行き過ぎた円高もダメであるが行き過ぎた円安もまずい。為替は、ある一定水準で安定することが望ましいのだ。

日銀のバランスシートを見て個人が気を付ける点として、将来の金利上昇に対応するということ。変動金利で長期で借金することは極めてリスクが大きい。金利はこれ以上下がらないし、上がるしかないのだから。特に住宅ローン等の長期借り入れは、多少金利が高くなっても長期固定で借りるべきである。

資産運用においては、キャピタル(為替や短期の値動き)を読むのではなく、インカム(利息や配当)を長期で積み上げていくことである。

経済は機械のように動く

2017年5月31日

世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオをご存知の日本人は少ないかもしれないが、アメリカでは誰もが知っている著名投資家である。

『カリスマ投資家の教え』 川上穣 著によるとダリオが12歳のときに近所のゴルフ場で始めたキャディーのアルバイトが、後に投資家として人生を歩むきっかけをつくった。当時ゴルフ場に来る客の多くは、ウォール街で働く羽振りのいいトレーダーたちで何気なく会話を聞くうちにダリオにも株式投資の関心が自然と芽生えるようになったとのこと。

あのバフェットもゴルフのキャディのアルバイトをしていたことは有名であるが、ゴルフと投資にはなにか因果関係があるのかもしれない。

さてレイ・ダリオの30分の動画が実に素晴らしいので、見てほしい。何が素晴らしいかというと、彼は世界トップレベルの投資家でありながら、誰よりも経済を深く洞察しているのだ。マーケットと経済はつながっていて、経済の理解なくしてマーケットを理解することは困難であることを誰よりも理解しているのだ。

衛星写真やドローンを飛ばしてスーパーマーケットの駐車場の車の台数から売り上げの傾向を分析してクオンツ運用する時代に、素人に毛が生えたような人が個別銘柄を短期売買するのは、ほとんど勝ち目のないゲームである。

10年近くファイナンシャルアドバイザーとして活動し、日々多くのお客様にお会いしているが、本当の意味で経済とマーケットの関わりについて理解していると感じた人は、数人であり、ざっくりいうと1000人に1人もいない計算である。自分は分かっているつもりのかたは、たくさんいるのだが、本当にみんな分かっていないというのが正直な感想である。それは堅苦しい経済の専門知識の話ではなく、資本主義や株式会社、金融市場、株式、外国為替、物価、金利などの本質を深く理解しているかどうかという話である。金融経済教育は、まさに私自身の今後の課題である。

さてレイ・ダリオの経済の洞察力は素晴らしい。トップレベルの投資家が以下のような動画をつくるアメリカは、やはり資産運用の先進国である。資産運用は怖いから、節約と預金だけでいいというのは、実に寂しい。

『経済は機械のように動く』は、実に興味深い。

英語ができる人は、レイ・ダリオ本人の肉声解説で聞いてほしい。

キャピタルの歴史

2017年5月29日

当社は、お客様のポートフォリオのコア資産としてキャピタルのファンドを提案している。

お客様にお奨めしているだけでなく、私個人も家族も会社もキャピタルのファンドをポートフォリオのコアとして購入している。

日本には公募の投資信託が約6000本あるが、正直、自分が購入したいと思えるファンド=お客様に提案するファンドは、20本程度である。

一般の方が書店で本を買って勉強してもいいファンドを選んで購入することはかなりハードルが高くまず不可能である。本当にいいファンドは書店やネットで見つけられるようなものではないのだ。

いいファンドは、過去の成績のみならず将来の成績が欠かせないため、定量分析に加えて定性分析が必要である。キャピタルのファンドは、過去の運用成績が抜群に素晴らしいということだけでなく、過去の成績を今後も再現できる独特の仕組み(キャピタルシステム)を持っている点でかなり信頼性が高いのだ。

私自身、今更、会社員になりたいと思わないがキャピタルであれば会社員として働きたいと思ってしまうくらい素晴らしい運用会社である。

VIDEO『キャピタルの歴史』 PCで視聴可能